林洋人=てっちゃんコーチ??初めにニックネームについて説明します。選手時代、サイドバックだったのですが、決して上手いタイプではありませんでした。自分の持ち味は強いフィジカル。高校時代に対戦相手と対峙した時に身体が当たりまくっても強かった事から『鉄球』と呼ばれるようになりました。ジュビロ磐田で活躍した犬塚友輔選手にも『鉄球』と呼んでもらっていて、たまにテレビのインタビューで『鉄球』というワードを発している事もあります。(笑)指導者を志したきっかけ同朋高校時代、指導という程ではありませんが、後輩に教える経験をする中で指導者が自分に向いていると感じ始めました。卒業後海外を経て帰国した際に高知ユナイテッドで午前中は練習生、午後はサッカースクールのコーチをするようになり、本格的に指導者としてのキャリアをスタートさせました。徳島に来てからはスクールの立て直しを自由度高く任せてもらい、自分の志向にも合致していて、気づけば指導歴10年弱です。どの年代でもお世話になった指導者の方ばかりで特に印象に残っている方を絞る事ができないのですが、高校で森岡優介さんに出会った事が大きかったです。プレーヤーとしての技術の高さも大切ですが、仲間と協力して組織を前進させていく事の重要性を3年間みっちり叩きこまれました。高知ユナイテッドFCでプレーしている時に監督だった西村昭宏さんに言われた『練習は型を作るためにある』という言葉も印象的です。型破りと言われる選手もいますが、あくまで正しい型を習得したうえでの話。自分は足の裏でボールを止めたりしていたのですが、まずは基本に立ち返って、インサイドで止める、アウトサイドでコントロールする型を身に着けるよう指導されました。今スクールで小さい子どもを教える時にも意識している事です。幅広い年代を指導する上での、共通項は "楽しむ" こと所属するNPO法人スポーツ巡回ネットワークでは、保育園やこども園に出向き、0歳向けに10~15分のショートレッスンを行う活動をしています。同時に老人ホームを訪問し、平均90歳の方にボールを使った運動指導もしています。内容は年齢によって様々ですが、基本的な考え方は共通していて、『スポーツを楽しむ』がモットーです。もちろん年代によってここが伸びる、というポイントはあります。例えばゴールデンエイジと呼ばれる9~12歳ではボールフィーリングがすごく伸びる時期です。より下の年代であれば、片足でバランスを取るような動き作りに向いている年代です。1~2歳の子どもの指導を任されたとしたら、どんな練習メニューを組みますか?まず挨拶をして、手を使ってボールを投げたり、シュートの真似事をしてみたりするかと思います。手を使ってしまうパターンが多いのですが、サッカー指導としては、できるだけ足を使ってみようと促します。人は目から得た情報量が圧倒的に多いと言われます。下の年代に行けば行く程その傾向は強いので、コーチとしてデモンストレーションは一切手を抜かないよう心がけています。『サッカーは足を使ってやるスポーツだ』という事を強烈に意識させるんです。指導者をしていて嬉しい瞬間まだまだ未熟な部分もありますが、自分が良いと思う練習ができたと思う瞬間は嬉しいです。他には、指導者や選手がイキイキとサッカーを楽しんでいる姿を目にた時ですね。特に育成年代の選手が能動的に自分で考えてプレーしていると感じた瞬間、自分がいなくても大丈夫と思えるくらいに内容が充実していくのを目の当たりにするのも嬉しい瞬間です。少しずつでも前に進み続ける選手は強いと常々感じます。自分自身、上手くなかったので悔しい思いを今までにもたくさんしてきましたが、失敗から多くの事を学んできました。その学びが成功の基になっています。選手にはぜひ大好きなサッカーの中で上手くいかなかった事を、周りとコミュニケーションを取りながら振り返り、前進し続けていって欲しいです。サッカーの普及面では、NPO法人スポーツ巡回ネットワークでも掲げていますが、スポーツの地域格差をなくす活動に力を入れたいです。オンラインでの指導など形は無限大だと思うので、一人でも多くの子どもたちにスポーツを楽しんでもらいたいと願っています。