『人生に無駄な事は何もない』それまでの全ての経験を糧にする選手時代から将来はサッカーに携わる仕事に就きたいと考えていました。現役時代から地元のクラブチームの指導、東北リーグでは選手兼フィジカルコーチといった形で準備をしてきました。経験を積む中で指導者の道に楽しさを見出し本格的に目指すようになりました。選手時代、様々な本や選手のブログを読んでいました。その中で心に残っている言葉が『人生に無駄な事は何もない』です。現役引退後、トップチームの監督、ジュニアの監督、フィジカルコーチ、分析、通訳など様々な役割を担ってきました。様々な立場からチームをマネジメントをしてきたからこそ、一歩引いたところからチームを俯瞰できるようになったと思います。選手たちの自由な発想や創造性を促すトップチームではやはり勝利に拘ってきました。自分達の目標は何なのかを常に示し続ける事を意識しています。一方、長く携わってきた育成年代においては、指導者として心の余白を持つ事を意識しています。指導の中であえて足りない部分を作り、選手達の自由な発想や創造性に任せるんです。彼らは指導者の想像を越えてくる事が多々あるので見ていて面白い。全てを教えようとは初めから思っていないです。アルゼンチンで経験した、勝利への執念アルゼンチンでは年代毎に毎週末試合が組まれています。国民性もあると思いますが、大人も子どもも競争心が強く、勝利に対する拘りが時に過剰です。サッカー以外にもバビーフットボールというフットサルのような競技があるんですが、子ども達はサッカーとバビーフットボールを両立していて、かなりタフです。毎週末、本気の試合をする事で磨かれていく部分は大きいと感じます。監督やコーチをしていた時には、やはりチームとしての成長が垣間見えた時にやりがいを感じていました。アルゼンチン時代は特に結果に拘っていたので、勝利した時にチーム、サポーターが全身で喜びを表現している姿を目にするのが格別の喜びでした。直接言葉を訳すのが通訳ではない現在一緒に仕事をしている奈良クラブの監督からも常々言われていますが、通訳は言葉を直訳する事が仕事ではありません。ニュアンス等を汲み取り、伝わりやすい言葉に置き換える事を意識しています。奈良クラブでは、昨季はベースを作る年と位置付けていました。今季も選手個人の成長にフォーカスして、日々を大切に過ごす姿勢は最後の試合が終わるまで崩したくないです。まだまだ発展中のクラブなので、その歴史の一員として現場を中から見られる貴重な経験に感謝しています。個人の夢は自分のクラブを作る事です。それまでに色々なカテゴリー、クラブで仕事をして経験を積む必要があります。今後も自分の知識を広げたり、所属クラブにできる事をどんどん還元していきたいです。