自分が受けた良い経験を、同じように子供達にも還元していきたい-指導者としてのセカンドキャリアは、現役時代から思い描かれていたのですか?昨年まで現役のサッカー選手でしたが、大きな怪我をきっかけに引退を考え始め、実際に半年程サッカーをしない時期がありました。100%、120%のプレーができなくなり、次に何をしようか考えていく中で、以前から漠然と考えていた子どもと関わる仕事がしたい、という思いが強くなりました。現在所属する会社の社長とは元々知り合いでしたが、放課後等デイサービス(後述)とスポーツスクールの事を話していくうちに、僕が将来やりたい事に繋がる会社だと強く感じ、自分から「やらせてください」と手を挙げて入社しました。サッカーを通じて色んな人に出会ったり、国や県をまたいで生活をする機会を得てきましたので、今までお世話になった人たちに還元する事で、次世代の子供たちに繋げていきたいと思っています。-自身にとっての指導者の方から受けた影響も、大きかったのでしょうか?個性的な指導者にたくさん出会ってきましたが、彼らがいたからこの年まで選手を続ける事ができました。出会う指導者によってこんなにも人生が変わるという事を身をもって感じています。印象的なのは、高川学園の江本孝監督です。高校時代、口答えする僕の事を正面から受け止め、ダメなものはダメとしっかり叱ってくれる指導者でした。どんな時もまずは相手の意見を聞く姿勢を尊敬しています。スポーツを通じた療育支援を行う職場『コーディーキッズ』-現在は放課後等デイサービスに勤務されちるとのことでしたが、ご活動内容を詳しく教えていただけますか?所属するコーディーキッズについて少し説明します。放課後等デイサービスを提供する会社ですが、支援を必要とする障害のある子供たちに対して、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験を通じて状況に応じた発達支援を行います。特別支援学校、特別支援学級、通常学級にいる子供たちもいますが、放課後の時間を使って療育支援をしていきます。僕の父と兄が特別支援学校で働いている事、母も以前特別支援学級で働いていた事もあり、「特別支援」というワードが身近な環境にありました。加えて、コーディーキッズの活動がスポーツを通じて療育支援をしていくというコンセプトを掲げており、自分が学んできた事を活かしながら働けるのではないかと思っています。-様々な年代の子供達と接する上で、大切にするものは何かございますか?保育園、ジュニアユース等年代も場所も違う環境でトレーニングをする時に、共通して大切にしているのは、”どれだけ子供たちを惹き付けて楽しませるか” という事です。サッカーをしている時間を100%楽しんでもらうために、声掛けの仕方も常に意識しています。以前スペインでサッカーをしていた時に、子供たちはすぐに飽きてしまう、そしてそれを態度に出してくるという事を実感しました。海外の指導者は飽きさせない事もすごく意識していたのが印象に残っていて、自分も影響を受けています。いずれは、独立して事業所を開きたい-最後に、平田さんのこれからの夢や目標をお聞かせください。トレーニングをしている最中に子供たちが楽しそうに時間を過ごしている時は素直に僕もやりがいを感じます。コーディーキッズに参画してまだ4か月ですが、その間にも、サッカーが好きになった子供がサッカースクールにも参加したり、学校にも前向きに通うようになったり、嬉しい変化が生まれています。スポーツを通じて療育や支援に繋がる経験をして、手応えを感じています。現時点では、様々な現場で子供たちを指導していますが、それを積み重ねていずれは事業所を開きたいです。療育支援を通じて自分が今まで得てきたものを地域にどんどん還元していく事を目標にしています。