指導者としての面白さを実感したのは引退後最後に所属した鹿児島ユナイテッドに入る前、なかなかチームが決まらず初めて現役引退後の事を考えるようになりました。元々は指導者にあまり興味がなく、現役引退後もすぐに指導者になったわけではありません。大学から声が掛かってお手伝いさせて頂くうちに徐々にコーチをやりたいという気持ちが強くなっていきました。ブラジル人監督とコーチの声掛け、影響を受けた指導者ヴィッセル神戸2年目にブラジル人監督(カイオ・ジュニオール氏)の元でプレーしていました。Jリーグで初めて開幕スタメンを勝ち取った年でもありましたが、監督からかけてもらう言葉が非常に励みになりました。『自分で結果を出し、道を切り拓け』というメッセージを常に貰っていて、モチベーション維持につながりました。日本人の指導者にも尊敬している方はたくさんいますが、声掛けという意味でいうと一味違った印象です。監督だけでなく、ブラジル人コーチも『今日はお前が好きなジダンのようなプレーをして、観客を楽しませてくるんだ』とピッチに送り出してくれたり、他では経験のない声掛けをたくさんしてもらいました。京都サンガの曺貴裁監督にはプロとしての姿勢を学びましたし、大分トリニータの片野坂知宏前監督の元では現役で最高の成績を残せた事もあり、大きな影響を受けています。指導者になってからもこの2人のスタンスはお手本にしています。どの世界であってもコツコツと積み重ねられる能力が大切現役引退後、指導者と並行して経営者にもなりましたが、サッカー選手時代には考えられない程自分でやらなければならない事が増えました。ビジネスの世界ではまだ若輩者ですがコツコツ積み重ねていく事の大切さを日々実感しています。稀に流行りに乗ってバズったり、強力な支援者の後押しが得られる事もありますが、基本はブランド認知を広げたり、アイテム数を増やしたりする事に愚直に取り組む事でしか成果は得られない。この姿勢は、どの世界であっても共通しているはずです。大学での指導では、社会に出る直前の学生達に僕が伝えられる事は積極的に話すようにしています。卒業後サッカーを続けるにしても、他の道を選ぶにしても、目の前にある事に向き合って当たり前の事を継続できる力を大切にして欲しいです。指導者として感じたやりがいと、今後の目標指導者になって2年ほどですが、その中で感じたやりがいが2つあります。まず、自分の声掛けによって選手がきっかけを掴み、成果を残せた事。練習の中で気づいた事をアドバイスする事によって選手が変化していく姿を目の当たりにした時、指導者としての喜びを感じました。次に、チームを指揮する事の難しさです。昨年、新人戦の指揮を行った事があるのですが、試合までの準備、メンバー選出、送り出し、途中交代など様々な指導者としての仕事をする中でやってみないと分からなかった難しさとやりがい、そして勝利した時の達成感を感じました。今後の目標は2つです。ひとつ目は、自分が監督をしているチームのメンバーが自社ブランドのの製品を着てプレーする事。ふたつ目はかっこいいお父さんを増やす事です。結婚をしたから、子どもが生まれたからと自分磨きを諦める事なく素敵なファッションを楽しんで欲しいと思っています。指導者としてもプロとしての活動を目指していこうと思っていますが、選手達には『1日1日を大切に全力で目の前の事に取り組む』事の重要さを伝え続けていきたいです。