教員からプロ指導者へのキャリアチェンジコーチの仕事にやりがいを感じた大学時代、教員になれば部活動含め大好きなサッカーに携わる事ができると考えるようになりました。高校の教員になった後は朝から夕方まで生徒と様々な角度から接点を持ち続けられる環境があったものの、サッカーにかけられる時間は限りある状況で勤務していました。教員を続けながらも大好きなサッカーを仕事にしたいという想いは持ち続けていて、準備を続けていました。教員からコーチへの転換は大きなチャレンジでしたが、ワクワクする気持ちの方が大きかったです。今は選手と関わる時間は限られるようになった反面、それに至るまでの準備時間は長くなり、何より自分が大好きな事に全力を注げている事に幸せを感じています。Jの舞台で指揮をとった恩師から学んだ、『指導者』とは選手時代からたくさんの人と関わってきましたが、あえて一人挙げるとすれば、教員を辞めてサッカーの世界へと導いてくれた安達亮さんです。当時はラインメール青森FCの監督で現在は横浜F・マリノスのコーチをしている方です。Jリーグができた時からこの世界で仕事をしていて、常に色んなチーム、選手から求められ続けている存在。僕自身が青森で一緒に働いたのは半年だけなんですが、その期間に選手へのコミュニケーションやプロとしての心構えを叩きこんでもらいました。僕自身、まだ指導論が確立している訳ではないのですが、青森時代に安達さんから聞いた言葉がとても印象的で自分の軸になっていると感じます。「褒められて一生懸命プレーするのは2流。貶されても自分の価値を示せる選手が一流だ」という言葉なんですが、怪我をしても、クビになっても、全てをモチベーションに変えてもう一度這い上がれる人がプロだという意味です。選手に向けての言葉でしたが、自分にもすごく響きました。未熟故にミスする事も多々ありますが、起きた事に対して反省して次に活かす姿勢は僕自身がまず大切にしたいと思っている事です。10日のうち9日辛くても、喜びを感じる1日のために頑張れる指導者をしていると色々嬉しい瞬間はありますが、10日あったら9日は辛い、苦しいと思う事が多いです。それでもたった1日、叫んだりガッツポーズをしたり喜びを感じる日があれば十分です。この高揚感は他の業界や会社ではなかなか味わえないものだと思います。今は、普段試合に出れない選手を見ている事が多く、そういう選手が試合に出て活躍する姿を見た時は正にそういう瞬間です。卒業して関東の大学に行った教え子がオフ期間に後輩の試合を見に来ている姿も成長を感じて頼もしいです。将来的にはこの業界で職人として極めていきたいと思っています。「山本兼史に任せたら選手が上手くなる、良いチームになる」と信頼される存在になりたいです。キャリアとしては監督に挑戦したいです。身近で見ていて大変である事はよく分かっていますが、だからこそカテゴリーを問わず監督をやってみたいと思っています。