サッカー指導者としての出発点指導をスタートしたのは大学入学直後の5月です。高校生の時に東京ヴェルディの試合運営の手伝いをした事がありました。そこで知り合った元日本代表の北澤豪さんのスクールの手伝いをする事からキャリアをスタートしました。サッカー関係の仕事に就く事を見据えてスポーツビジネスを学んでいましたし、すぐにライセンスも取得して埼玉県内のサッカースクールでアルバイトを始め、本格的に指導者として活動するようになりました。大学2年生の時は、クーバー・コーチング・ジャパンでサッカー指導者のアルバイトをしていました。その時お世話になった上司の方は今でもとても尊敬しています。管理職をしていて指導スキルも高い方です。彼からは指導者として大切な事を教わりました。細かい事ですが、コートにゴミが落ちていたら拾う、子ども達の前で腕を組まない、保護者との接し方など自分がスクールを運営する立場になっても活きている教えがたくさんありますね。子どもたちの成長を支える心構えひとつは、子どものプレーを否定しない事です。厳しい口調で子どもと接する指導者を今までも見てきましたが、僕は子ども達のサッカーが好きという気持ちを何よりも大切に育んで行きたいと思っています。指導者から見てイマイチなプレーであったとしても、子ども達なりの考え方があるものです。伝え方に注意して、「こうするともっと良くなると思う」と押しつけがましくなく、子ども達の選択肢をひとつ増やしてあげるイメージで助言するようにしています。もうひとつは、一人一人に寄り添う事です。個人レッスンも集団レッスンも経験してきましたが、クラスの定員は最大16名に設定しています。基本は指導者2名が就く構成です。人数が増えれば増える程一人にかけられる時間は減ってしまうものです。70分あるいは90分の練習の中で、できるだけ子ども達の名前を多く呼んであげられる状態を維持したいので、少人数に拘ったスクール運営を心掛けています。指導の細かさや丁寧さは保護者の方からもご好評いただく事が多いですが、一方で声の大きさやトーンには課題を感じています。褒めるのが上手い指導者はオーバーすぎるくらいのリアクションで子ども達に声を掛けます。さらには、上を目指して練習している子ども達には時にサッカーの厳しさを伝える事も必要だと思うので、声掛けの仕方やタイミングを見計らいながら試行錯誤しています。埼玉サッカーの未来を拓くありきたりな答えですが、保護者や子ども達から感謝の言葉を貰えたり、子ども達の成長を実感できた瞬間です。一例を挙げると、2年生の夏にスクールに入った時には真ん中のレベルだった子どもが、5年生になって時には1つ上の学年でプレーする事もあるくらいに上達したんです。元々無口なタイプでしたが、声を出してボールを呼び込む事もできるようになりました。毎週スクールの日を楽しみにしていると聞いてとても嬉しかったです。好きな事を仕事にして、それを長く継続できている事も幸せに感じます。現在埼玉県の激戦区、大宮でスクールを運営していますが、ゆくゆくは埼玉の別の地域でも展開していきたいです。28年間育ってきた埼玉には思い入れもありますし、埼玉のサッカーに少しでも貢献できる形を自分なりに模索したいと思っています。指導者としては、子ども達には生涯に渡ってサッカーを楽しめるようになってもらいたいですね。彼らのスタンスや技術力は様々です。プロにならなくても社会人リーグで活躍したり、Jリーグの観戦をするだけでももちろん良いです。サッカーがずっと好きで何かしらの形で携わっていけるような土台作りを僕はしていきたいと思っています。