怪我からの手術という原体験から、アスリートをサポートする立場に。中学校の時に私自身がサッカーで膝を怪我して、手術していただいた経験があります。その時に、すごく理解のあるドクターと理学療法士の方にお世話になったというところがきっかけで今の仕事に就きました。もともとスポーツが大好きだったので、スポーツに関わる仕事がしたいというのは頭の中にイメージしていて。そのタイミングでの手術だったので、「こういう形でアスリートと関わる仕事もあるんだな」というところを実際に感じました。高校でサッカー人生を終えようと思っていたので、以降はスポーツ選手を支える側に回りたいという気持ちに迷いなく切り替えることができたのかなと思います。病院に勤務していた時に一番強く感じたことになるのですが、病院は怪我をしてしまった選手が来るところですので、怪我を予防することに関して介入していくのはなかなか難しいんです。私自身も怪我をしたので、悔しい思いをする選手の気持ちが痛いほどよくわかります。そういった選手を一人でも減らしたいなという思いから、自身からスポーツ現場に出ていって病院に行く人たちを減らしたいなという思いで『怪我に泣くアスリートをゼロに』というモットーの元、活動させてもらっています。ただ、私1人だけで活動していくことは難しいと思いますので、指導者の方や病院の先生たちともしっかりとコミュニケーションを取り、介入させてもらっているという形になりますね。それぞれのスポーツ現場における指導環境から、相互作用が生まれている。現在はサッカーだけでなく、バドミントンや野球のプレーヤーも診させていただいています。サッカーに活かせる部分がバドミントンや野球に生きる部分もありますし、バドミントンや野球に活かせる部分がサッカーにも活かせるというところもあります。私自身の考えになるのですがサッカーという競技をイメージする際、下半身に意識がフォーカスされがちかなとは思うのですが、実際そうではないんです。背骨や上半身の動きも早く動き出すとか、相手選手をブロックするとか、高く跳んだり強くボールを蹴る時に必要になってきます。いわゆるオーバーヘッドスポーツ(腕を高く上げて行うバドミントンや野球など)に必要な動作がサッカーに活かせるというのはあるのかなと日々感じています。もちろんそれぞれの競技特性はあると思うのですが、スポーツをしているのは人間というところは共通だと思いますので、指導する上で通ずる部分や相互作用はあるのかなと思います。アスリートだけでなく、人々の笑顔を増やす活動を。現在、スポーツ現場での指導をC Labという屋号で活動させていただいています。C Labのモットーは3つ掲げてまして、先ほども申し上げた『怪我に泣くアスリートをゼロ』と『健康でライフスタイルを活性化する』『メディカル × スポーツ=スマイル』というものです。私がスポーツ現場に出て役割を果たしたいという想いで、自分の使命を列挙し、それらの項目を英語変換すると頭文字が全てCでした。これら全てを極めたいという強い想いから、C Labと名付けました。基本的にはスポーツアスリートへの指導がメインですが、『人の笑顔を増やしていきたい』というところを軸に活動させてもらっているので、スポーツ現場以外でも学校で非常勤講師として授業を受け持ったり、このFootballcoachのようなオンラインサロンを運営させてもらっていますので、本当に色んなことをさせていただいています。コロナ禍に差し掛かったタイミングはスポーツ活動も止まりましたし、独立して動き始めた直後だったのでなかなか自分の思うように事業が進まないという悩みもありましたが、オンラインを利用する方々が増えてきたおかげで色んな方々との繋がりが新たにできたので、すごく良かったのかなと思います。指導者や選手と三位一体になって、『怪我に泣く選手をゼロに』トレーナーをされている方々には、理解して頂けるかと思いますが、自分が指導している選手やチームが勝利をした瞬間であったり、怪我から復帰してゴールを決めた選手の笑顔を見るとすごく嬉しい気持ちになります。しかしそれ以上に私が嬉しいのは、試合などを通じて怪我人が出ないとか、トレーナーが動くタイミングがなかった時ですね。それまでの準備段階でトレーナーとしての仕事ができたかなと思える瞬間でもあります。怪我をゼロにしていくというところは難しいと思うのですが、今後もこういった幸せを感じることができるように活動していきたいなと考えています。私の出身であり、現在活動しているメインの地域は島根県です。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、実は島根県は中国地方でも唯一 Jリーグクラブがない地域なんですよ。全国大会のレベルで見ても、色んな競技が劣ると見られている県でもあるので、この事業を通して怪我に泣くアスリートを少しでも減らして、「島根県がスポーツでしっかり情報発信できる形に持っていきたいな」という強い想いはあります。今年は6チームと契約し、活動させてもらっています。怪我予防を徹底することで怪我をゼロに近づけることができると信じています。そのために必ず必要になってくるのはメディカルスタッフだけなく、指導者の方や選手とのコミュニケーションです。指導者や選手の方々がメディカルやトレーニング、体の知識に興味を持っていただける環境を作っていくことが必要なのかなと思います。我々のような、選手をピッチ外からサポートする人々にも少しでも興味を持っていただけると嬉しいです。