怪我の経験から芽生えたトレーナーへの道-木谷さんがトレーナーという仕事を志した背景には、やはりご自身のサッカー経験があるのでしょうか?そうなんです。僕自身、もともとサッカーをやっていたんですが、怪我で苦しんだ時期がありました。その経験がきっかけで「選手を支える仕事」に関心を持つようになりました。現場で選手が全力を尽くせるように支える存在になれたら、それは自分にとって大きなやりがいになると感じたんです。-その経験を経て、実際にトレーナーとして歩み始めた頃はどのような環境だったのですか?最初は日本で修業を重ねながら、Jリーグや他競技のアスリートをサポートしていました。現場での試行錯誤を通じて、実践の中で多くを学んだ時期でしたね。吉田麻也選手との出会いが海外挑戦の転機に-国内で多くのトップアスリートを支えていた中で、ロンドンへと拠点を移されたのは大きな決断だったと思います。きっかけを教えていただけますか?日本にいた頃は、Jリーガーやプロ野球選手、大相撲の力士、バスケットボール選手など、幅広いアスリートをサポートしていました。そんな中、吉田麻也選手をサポートしたことが転機になったんです。彼との出会いを通じてロンドンへ渡り、そこから欧州をベースに活動するようになりました。今ではプレミアリーグをはじめ、フランス、スペイン、イタリアといった五大リーグの選手を支えています。-実際に海外で活動する中で、日本との違いを感じる部分はどんなところでしょうか?やはりヨーロッパはサッカーの文化や仕組みが根付いていて、プレイヤーズファーストの考え方が日本よりも徹底されている印象です。トレーナーの存在もクラブ全体で重要視されており、サポート体制の厚みを強く感じますね。トレーナーとしての哲学と「プレイヤーズファースト」-長年のご経験の中で、大切にしている考え方や指導哲学はどのようなものでしょうか?日本で10年間修業を積む中で、多くの先輩方から学びました。特に印象的だったのは「選手の競技人生は短いが、その後の人生はもっと長い」という言葉です。だからこそ、競技中だけでなく、引退後も人として良き関係を築けるように接することを意識しています。-木谷さんが考える「プレイヤーズファースト」とは、具体的にどんな行動につながるのでしょうか?例えば、深夜に試合から戻って眠れない選手がいれば、時間を問わず施術を行います。選手が次の試合に万全の状態で臨めることが最優先なんです。そしてサポートする側・される側というよりは、一緒にシーズンを戦う仲間として関わることを大切にしています。その姿勢が信頼関係につながっているのだと思います。トレーナー冥利と次世代への思い-選手を支える仕事の中で、「やっていてよかった」と強く感じる瞬間はありますか?やっぱり選手から直接「ありがとう」と言われた時ですね。怪我で苦しんでいた選手が復帰して活躍する瞬間や、「木谷さんがいてくれたから結果を出せた」と言ってもらえた時は、とても嬉しいです。まさにトレーナー冥利に尽きる瞬間です。-そんな充実の中で、今後の目標や展望もお聞かせください。僕自身、海外で挑戦するチャンスをいただきました。これからは、そのチャンスを次世代につないでいくことが自分の役割だと思っています。ヨーロッパで活動する日本人選手をサポートする体制を広げると同時に、若いトレーナーが世界で活躍できる仕組みも整えていきたいです。日々トップ選手と関わる中で得ている知見や感覚を、後進に伝えていくことにも力を注ぎたいと考えています。