自らの決断を後押ししてくれた、恩師の一言将来のことを考え大学で教員免許の取得は決めていましたが、小さい時から教師になりたいという思いは持っていたわけではありません。つい一年前までは、内定をいただいていた企業へ就職するか教師の道に進むかで悩んでいました。内定先には大学の体育会の先輩もいらっしゃって、人事の方にも就活時から大変お世話になっていたんです。ですが民間企業への就職か教師になるのかを悩んでいた同時期に、当時専修大学で指導してくださったGKコーチの方と出会い、自分の中で大きく変わった部分があります。僕にとってのまさに恩師という存在ですね。その方のアシスタントとして一年間さまざまな活動に帯同させていただき、いろんな指導者の方とお会いしてお話しさせていただく中で、幼い頃の自分が抱いた「GKコーチってかっこいいな」という思いが蘇ってきました。この将来への迷いを相談させていただいた時も、「色んな人への相談をあてにして決めるのは、玲央の人生じゃないよね。自分が心の底からしたいことを迷いなくしていれば、自然とその方向を応援してくれる人たちのエネルギーが集まってくると思うよ。」と僕の背中を後押ししてくださったんです。これがきっかけで、ようやく自分の中で教師の道に進む決断ができました。このお言葉で自分の気持ちに正直になれましたし、こうして現職に就かせていただき楽しく指導させていただいているので、本当に感謝しています。今自分にできることを全力で。一年間、専修大学時代のGKコーチの方と活動させていただいた中で、トレーニングであったりトレーニング外のプライベートな部分でお話しさせていただき、「周りは周りだよ。」と常に言われていました。仕事柄、選手たちだけでなく授業を受け持つ生徒さんや保護者の方々、他の先生方との関わりも非常に多いのでこの言葉は常に大事にしています。「玲央は玲央でやれることをやりなさい」と言っていただき、どういう状況であろうと自分のやれることを変えずに目の前のことに全力で取り組むことで回り回っていつか自分の元に返ってくると思えるようになりました。色んな教科や色んなクラスの生徒さんの授業を持たせてもらっていますが、教室に入るときに挨拶して入ったり、常に自分から仕掛ける形で生徒たちとは関わっています。教室に少し時間より早く行って、「最近どう?」と声をかけることで、何気ない会話のようですが生徒さんたちは反応してくれて、他の先生方やご両親に言えないようなことを心を開いて話してくれるんです。こういった日々のコミュニケーションは小さなものですが、その小さなものが積み重なって生徒さんたちも徐々に僕を信頼してくれるようになりました。僕自身が学生時代も先生方に気にかけていただいていたので、僕も同じように生徒さんたちに接しているだけだと思っています。小さな気づきを与えることが指導者としての使命ジュニアの年代から、色んな指導者の方に「サッカーを楽しもう」と教えていただきここまで来れたと思っています。両親も母が幼稚園教諭をしていたり、父が剣道の先生をしていたりで教育者に囲まれて生活していたので、スポーツの楽しみ方を小さい時から教わってきました。おじいちゃん、おばあちゃんからは人を思いやる気持ちや人としてのあり方を教わってきたので、今こうして自分が教える立場になって改めてそういった周りの人たちへの感謝を持てるようになりましたね。サッカーの指導者という面では、喜怒哀楽をはっきり出すことを意識しています。選手たちはもちろんですが、僕たち指導者がサッカーへの熱量、選手たちへの熱量を喜怒哀楽を駆使して伝えていく必要があると思っています。そういった指導者の熱を感じ取ってくれる選手たちは、普段の練習や試合で同じように本気のエネルギーでぶつかってくれます。僕にできることは、サッカーを教えるだけでなく小さな気づきを与えることだと思っているので、そこから少しでも何かを感じ取ってくれる選手たちが自ら考えてプレーに落とし込むということを体現してくれると嬉しいですね。常に笑顔振りまく人間に僕は指導者の道に進んでまだまだ浅いキャリアですが、関わりの持たせてもらった生徒さんたちや選手たちが楽しんで生活したりプレーしてるのを見れるのが一番幸せな瞬間です。昨年の3年生の卒業時にも「玲央先生の指導を受けれてよかった」と最後に言ってくれる子たちがいました。そのような一言を素直に伝えてくれたのもすごく嬉しかったですし、そういった場面が増えるたびに自分にとって教師、サッカー指導者という職業は天職だなと思います。自分さえ良ければという気持ちではなく、この先、生徒さんや選手たちが自分の元から離れてもさらに上の舞台で活躍できるように自分にできることを全うしていきたいです。高校生は大人に近づく年代でもありますし、毎日生徒さんの表情であったり、顔色や考えていることもコロコロ変わります。そんな中でも、あの先生見たら元気もらえるよねって思うような常に笑顔を振りまく人間でありたいなと思っています。僕のことを好きになってもらう必要は全くないですが、学校に行くきっかけの一つにでもなればいいなと。僕も日々現場で学ばせていただくことが非常に多いので、何歳になっても年齢や立場を問わずお互いのいいところを吸収し合える関係性をより生徒さんと築いていけるように毎日を全うしていきたいですね。生徒さんの夢や目標の実現に対して、言葉を使って一緒に取り組んでいける楽しみをこれからも日々感じていけたらなと思います。