指導者としての原点:熱い指導者との出会い-指導者を志したきっかけは何ですか?僕が小学校2年生の時の指導者が、本当に子ども好きで熱い方でした。家庭を持たない独身の方だったんですが、僕らを我が子のように可愛がり、仲間を分け隔てなく接してくれる姿に憧れました。その指導者が、僕たちのためにサッカーのビデオを見せてくれたり、家に招いて話を聞かせてくれたりと、本当に熱心でした。このような指導者になりたいと思ったのがきっかけです。小学校時代のこの経験は、僕のサッカー人生における土台となっています。また、その頃のチームでは、指導者たちが一体となって選手たちを見守る文化がありました。各年代のコーチが互いに連携し、選手たちの成長を共に支える姿勢は、現在の私の指導方針にも深く影響を与えています。-ブラジル人指導者の方との出会いもご自身にとっては大きかったようですね高校時代、僕を指導してくれた方がつなげてくれた縁で、ブラジル人指導者に出会いました。その指導者は勝利を最優先しながらも、個々の能力を伸ばすことに重きを置いていたんです。一対一の局面での打開力や技術を磨かされ、結果を出すためのこだわりを教わりました。この経験が、僕自身の指導スタイルに大きく影響しています。ブラジルの文化や哲学にも触れることで、サッカーに対する考え方が大きく広がり、現在の僕の指導理念の核となっています。さらに、彼らの「勝利への執念」だけでなく、サッカーを通じた人間形成への視点も学びました。ブラジルの指導者たちは、技術の向上だけでなく選手の心の成長にも重きを置いていました。この点が、私が子どもたちの可能性を引き出すことに全力を注ぐ理由の一つです。現場と経営の両立:指導者のプロ意識-クラブ経営をされる中で意識されていることを教えてください。チーム運営は会社経営と同じだと考えています。指導者がプロ意識を持ち、持続可能な環境を整えることが子どもたちの成長につながります。僕は、公民館や体育館の指定管理を取得して運営する中で、収益を確保しながらも、指導者が本業に専念できる環境を作る努力をしています。コロナ禍を経て、資金面の重要性を改めて感じ、今も改善を続けています。また、経営を通じて地域との連携を深めることで、サッカーを軸にした新たなコミュニティ作りにも挑戦しています。例えば、地域の企業と連携してスポーツイベントを開催したり、地元住民が気軽に参加できる交流会を開くなど、サッカーを通じた地域活性化に力を入れています。こうした取り組みは、単に競技力を向上させるだけでなく、地域社会全体を活気づける効果もあると感じています。-現場での指導から離れる決断をされた背景にはどういったものがあったのでしょうか?コロナ前から現場での指導を若手に引き継ぎ、組織のマネジメントに注力しています。年齢を重ねる中で、次世代の指導者に運営や管理能力を伝えることが必要だと感じました。若い指導者たちが、年齢を重ねてもサッカー界で活躍できる環境を整えるのが、今の僕の役割だと思っています。こうした活動を通じて、指導者としての責任がピッチ内外に広がっていることを実感しています。また、指導者自身のキャリア形成も重要視しています。スポーツ界全体が持続可能であるためには、指導者が安定した生活基盤を持つことが不可欠です。そのため、経営スキルや地域社会との連携力を備えた指導者を育成する仕組みづくりを進めています。未来へのビジョン:子どもたちの夢を支える-現在取り組んでいるプロジェクトについて教えてください。インバウンドとアウトバウンドの双方で子どもたちの可能性を広げています。海外遠征を再開し、日本に海外の子どもたちを招くプロジェクトを進めています。少子化が進む中で、地域のサッカーチームが持続可能な形で運営されるには、連携と規模拡大が必要です。その一環として、アジアやヨーロッパ圏で活躍できる選手を育てることを目指しています。このプロジェクトには、地域社会全体を巻き込む意識が欠かせないと考えています。この取り組みを通じて、日本のサッカーが国際舞台でさらなる成果を上げるだけでなく、異文化交流を通じた相互理解の促進も期待しています。また、地域の子どもたちが夢を抱き、その実現に向けて努力する姿を見ることが、僕たち指導者の最大のモチベーションとなっています。-指導者として最も喜びを感じる瞬間は何ですか?子どもたちの笑顔を見る瞬間や、Jリーガーが誕生した時の達成感です。また、ビーチサッカー日本代表のコーチとして戦った試合前の国歌斉唱は、言葉にできない感動がありました。日常と非日常の間で、子どもたちの夢を形にすることが、僕にとって最大の喜びです。さらに、地域から輩出した選手が国際舞台で活躍する姿を見るたびに、この仕事の意義を再確認しています。他にも、サッカーを通じて子どもたちが困難を乗り越え、自信を持つ姿を目にすることは、何にも代えがたい喜びです。その成長を目の当たりにするたび、指導者としてのやりがいを強く感じます。-今後の目標や夢を教えてください今後は、さらなるグローバル展開を視野に入れています。特にアジアやヨーロッパのクラブと連携し、子どもたちが世界でプレーする機会を増やしたいと考えています。また、地域社会と一体となって運営する新たなサッカープロジェクトを立ち上げることで、持続可能な仕組みを確立したいです。そして指導者としては、次世代を担う若手指導者たちを育て、彼らがより大きな舞台で活躍できるようなサポート体制を整えていきたいと思っています。他にも、サッカーを通じて子どもたちが困難を乗り越え、自信を持つ姿を目にすることは、何にも代えがたい喜びです。その成長を目の当たりにするたび、指導者としてのやりがいを強く感じます。