全国大会の経験から指導者へ。- 眞田さんのご経歴についてお聞かせください。現在、武蔵大学サッカー部の監督を務めさせていただいております。その他、小学生対象のサッカースクールでサッカーコーチとして活動しています。経歴としては、高校時代は三重県立四日市中央工業高校で全国高校サッカー選手権大会やインターハイなど全国大会を経験しました。その後、平成国際大学(当時関東2部リーグ)に進学しサッカー部に所属していましたが、サッカー部を辞め、フットサルに挑戦しました。- フットサルの経験について詳しく教えてください。平成国際大学ではサッカー部を辞めてしまったのですが、その後、フットサルを少しやっていました。Fリーグのバルドラール浦安やフウガすみだのセカンドチームに所属していました。しかし、そのチームを辞めた後フットサルを続けるかどうか悩んでいる中で、地元の仲間と大学生のフットサルチームを作りました。そして、カレッジフットサルフェスタで全国優勝を果たしました。その経験を通じて、サッカーとフットサル、両方の魅力を知ることができました。- その後の活動について教えてください。フットサルでの経験を積んだ後、再びサッカーに戻り、Jリーグの練習に参加する機会を得ました。そこでプロを目指しましたが、残念ながら実現せず、その後は社会人チームでサッカーを続けました。プロとしての夢は叶いませんでしたが、様々な経験を通じてサッカーに対する情熱は一層深まりました。プロを諦めた瞬間と指導者の道- 指導者を志すようになったきっかけや経緯について教えてください。もともと指導者になるとは考えていませんでした。プロになりたくてサッカーをやってきたのですが、なかなか上手くいかずフットサルでもこれでは食べていけないなと感じました。そんな中、23歳頃にJリーグの練習に参加する機会があり、その時に体を動かす場所として武蔵大学の練習にも参加しました。そこで元Jリーガーで現在、武蔵大学のアドバイザーを務めている加藤さんと出会い、指導者としての道を紹介されました。- 指導者として活動を始めた当初の経験について教えてください。加藤さんから「小学生対象のサッカースクールでコーチをやってみないか」というお話をいただき、埼玉での指導を始めました。その後、武蔵大学でもコーチとして活動を開始し、約4年前からコーチ、そして昨年より監督を務めるようになりました。指導を始めた当初は、選手とのコミュニケーションの取り方や、効果的な指導方法に悩むことも多かったですが、経験を積む中で少しずつ自信を持てるようになりました。- 影響を受けた指導者について教えてください。私が高校生の時に指導していただいた樋口監督の影響は非常に大きいです。樋口監督は、多くを語らずに全体を俯瞰して見守るタイプの方でした。しかし、必要な時には的確なアドバイスをくださり、その言葉には非常に大きな力がありました。もう一人は、社会人サッカーの方でお世話になった元Jリーガーの宇留野さんです。宇留野さんはプレイヤー寄りで、技術面でかなり細かく指導していただき、一緒にピッチに入ってプレーもしてくれました。そういう姿も見ていたので、小学生を指導する時は体を動かし、見せるというのは指導するにあたっての軸になっています。- 小学生と大学生を指導する上での違いについて教えてください。小学生は基礎技術の習得やルールの理解が中心ですが、大学生はフィジカルやメンタルの管理も重要です。大学生は社会人に近づく過程にあるため、サッカー以外のスキルや心構えも指導しています。例えば、挨拶や時間厳守といった基本的なマナーから、社会に出る準備としてのコミュニケーションスキルの向上にも力を入れています。小学生は技術面の成長が目に見える形で現れる一方で、大学生はより複雑な問題に直面し、指導者としての挑戦が大きいと感じています。武蔵大学での再出発。指導者としての挑戦- 現在、指導者としてどのようなことを大切にしていますか?自分が一番伝えたいのは、サッカーを楽しむことです。大学生になると、サッカー以外のことにも目が向きがちですが、せっかくやるなら楽しんでほしいという思いがあります。また、チームスポーツとしてのコミュニケーションの重要性も強調しています。選手とのコミュニケーションは、信頼関係を築く上で非常に重要です。特定の選手だけと深く話し込むのではなく、全ての選手とまんべんなくコミュニケーションを取るよう心掛けています。一対一の対話を大切にし、それぞれの悩みや疑問に対して真摯に向き合うことで、信頼される指導者を目指しています。選手たちには、自分一人でプレーするのではなく、仲間と一緒にゴールを目指す楽しさを感じてもらいたいと思っています。- 指導者としてのやりがいを感じる瞬間について教えてください。ベンチからではありますが、試合に自分も入って90分間みんなと戦い、勝った時の喜びや負けた時の悔しさなど、感情が大きく動かされる瞬間です。選手としての経験と同じように、指導者としてもその感動を共有できることが大きなやりがいです。選手たちが成長し、目標を達成する姿を見ることは何よりの喜びです。特に、選手が自分の指導を通じて新たな技術を習得し、試合で活躍する姿を見ると、自分の努力が報われたと感じます。- 今後の目標や夢について教えてください。大きな夢や目標というよりも、目の前のことに全力で取り組むことを大切にしています。今年はチームでリーグ5位以内を目指しており、学生と一緒にその目標を達成したいと思っています。将来的には、より多くの子供たちにサッカーの楽しさを伝え、彼らの成長を支える指導者であり続けたいです。また、自分自身も常に学び続け、指導力を向上させることで、選手たちにとって最良の環境を提供したいと思っています。