高校生の時から指導者として活動をスタート初めは中学生の頃、OBとして出身チームに顔を出し始めたところからスタートしています。ヴィッセル神戸や鹿島アントラーズで活躍している西大伍さんのお父さんが監督をしているチームで、大伍先輩に会いに行ったり、監督の手伝いをしながら色々教えてもらったりしていました。高校生になり、練習に顔を出した時に、ドリブルやリフティングをして見せると子ども達がキラキラした目で「どうやってやるの?」と聞いてきたんです。すごく嬉しくて、指導する事にやりがいを感じました。17歳の冬に部活を辞めると、放課後は小学校に行ってナイター練習をしたり、土日も練習に参加したりしていました。高校3年生の夏に1泊2日の遠征に同行したのですが、子ども達と過ごす時間がとても楽しかったのを覚えています。アルバイト代は自分も希望していなかったのですが、大伍先輩のお下がりのウェアを貰って、なんて良いバイトなんだろうと思いました。自分がやれる事に対しての報酬を貰ったのが初めてで、そこからどうやったら子ども達がもっと上手くなるんだろう、と本気になって考えるようになり、指導者として歩み始める事になりました。真栄SSSでの指導に拘るわけ真栄SSS以外のチームで指導をする事はないと思っています。ありがたい事に140人のも子ども達を預けてもらっていて、彼ら彼女らは自分の後輩であり、教え子でもあります。自分の子どもでもおかしくない選手達を指導する中で、ますますチーム愛を大切にする気持ちが強くなり、選手達に何を提供できるのかを一番に考えています。昨年からは西監督から大部分をバトンタッチしたのですが、自分の色を出しながら、今後数年数十年を見据えた時に、何ができるのかを考えている所です。今はどうしてもOBとして大伍先輩の名前が出たり、西さんがフューチャーされてしまう事があるので、そこはリスペクトしつつも、今後に向けて動いていきたいです。真栄はキッズスクールを始めて10年、やっと初代の選手が高校3年の最後の試合を終えたところです。「夢叶う」というのは西監督含め、ずっと大切にしている言葉で、チームのアイデンティティと言えると思います。サッカーに限らず人として大きく成長できる環境を提供しようとした時に、少しの余白を残した状態で次の環境に送り出すのが重要だと感じています。GKをやってきた選手が後々ボランチで活躍していたり、FWになると思っていた選手がDFになったりという事がこの年代だとまだまだあります。選手の特徴を最大限に伸ばす指導をしながら、柔軟な指導を意識したいです。サッカー以外の部分での提供価値も高めていきたい若い頃は近所のお兄さんのような親しみやすさで選手に接していたのですが、30歳を超えたあたりから、自分の中に余裕も生まれ、コーチらしい雰囲気も出せるようになってきました。引き続き子ども達となるべく近い距離で接する事は心がけていて、雑談を通じて関係性を構築しています。学校の先生や親御さん以外の立場で子ども達に伝えられる事は意外と多く、『挨拶をしっかりする』、『物を大切にする』、といった事はコーチの言う事がスッと子ども達に受け入れられているとのお声もよく頂きます。現在OB3名がコーチとして真栄に参画していますが、子ども達との距離を縮めてサッカーに繋げるという良いサイクルが回り始めています。今後はサッカー以外の部分でのチームの提供価値も高めていきたいです。関わった人達の嬉しい報告を聞くのが幸せな瞬間卒業した子ども達が会いに来てくれたり、もう少しすると自分の教え子の子どもがチームに入ってくるようになると思うんですが、長いスパンで子ども達と関わる事ができるのが嬉しいです。ご飯を食べに行った飲食店でOBが働いていたり、就職が決まったと連絡をSNSのDMでもらったりした時に、自分がやってきた事が少しでも子ども達の人生を前向きにするきっかけになっているのなら、これ以上の喜びはないと思います。今後もチームに関わった人たちの嬉しい報告、頑張っている姿を見る事ができれば指導者冥利に尽きると、最近毎日感じています。今後については、真栄SSSが存続し続ける事をまずは目指しています。近年は、札幌の中でも学校の統廃合があります。そんな中、現状真栄には1年生から6年生まで140名もの選手、幼稚園のキッズスクールにも10名以上が在籍しています。チームを存続させるために、まずはハード面を強化したいです。今は小学校のグラウンドを使っていますが、専用グラウンドを持つために各方面の関係者に物件探しをお願いしているところです。更に、OBの選手達が学生コーチとして戻ってきた時に、きちんと受け入れられる体制も整えたいです。ゆくゆくは自分のように指導者としてご飯を食べていきたいと思う子が出てくるかもしれない。その時に手を挙げて必ず受け入れられる準備を今から少しずつしていきたいと思っています。