トレーナーか、指導者か?よりサッカーを感じる場で活動したいという思いから指導者の道へ選手としては高校卒業後、専門学校でのプレーを経てシンガポールリーグで2年間、JFLで1シーズンプレーしました。プロサッカー選手を目指していましたが、当時の実力や評価を鑑みて、次のキャリアを考える必要があり、現場で接する機会のあった鍼灸師になる事を考えていました。紆余曲折あり、アスレチックトレーナーの専門学校に入学、同時にアルバイトとしてサッカー指導に関わる機会を得ます。卒業後、スポーツトレーナーになるか、指導者になるか悩みましたが、選手経験がある事から、よりサッカーを感じる場で活動したいという思いが強く、20台半ばから指導者として歩み始める事になりました。サッカーを始めたのは幼稚園の時で、小学校卒業までは楽しくサッカーをしているという感覚でした。中学の部活顧問がただ楽しむだけではなく、練習、試合、戦術といったところまで踏み込む方で、そこで初めて”指導者”に出会った気がします。シンガポールで出会った指導者たちからも、練習内容だけでなく、人としての信頼感やチーム作りの面でとても良い影響を受けました。幼少期からたくさんの方から指導を受けてきましたが、誰かの模倣というよりは、なるべく自分の頭で考えて指導する事を心がけています。どの年代であっても最終的には人と人の付き合いになるので、どう信頼関係を作ってうまくやっていくか、という部分は気にしながらやっています。ドイツと日本で違うサッカーとの関わり何も知らない中、ドイツに渡ったのですが、多くの人がサッカーを楽しんでいるな、と感じました。日本では教育の中で行われるサッカーであったり、仕事としてのサッカーがありますが、ドイツではサッカーでご飯を食べている人はトップクラブに属するほんの一握りの人で、多くの人はサッカーが好きで集まっているという感じ。日本よりも近い距離にサッカーがあるな、という雰囲気の違いを感じます。選択肢の多さも特徴です。一度サッカーを辞めた人もタイミングを見て再開したり、監督と合わないという理由でクラブを変える人もいます。自分に合う環境を見つけやすいのはドイツの方だという印象です。ドイツと日本で子ども達のスタンスに大きな差は感じません。黙々と練習に取り組む子ども、分からない事をハッキリと伝えてくる子ども、レベルに合っていない練習内容に不満を示す子ども、日本よりも多少表現が多い気はしますが、結局は個人差による部分が多いと思います。だからこそ、相手に合わせて柔軟な指導を心がけています。在籍しているフランクフルトのクラブには純粋なドイツ人は恐らくおらず、トルコ、モロッコ、クロアチアなど近隣国にルーツを持つ子ども達ばかりなので、そういった国毎のキャラクターと個人のキャラクターがうまく混ざりあっている雰囲気があると思います。サッカー指導者としての魅力はチームの一員として戦える事指導者として喜びを感じる瞬間は、チーム皆で勝利を目指している時です。日々目標に向かって活動し、リーグ戦で勝敗を競うわけですが、指導者としてチーム一丸となって試合をする際に「サッカーって楽しい」と感じる事が多いです。また、ヨーロッパは陸続きで国の行き来がしやすいので、遠征の機会もあり、ドイツ以外の国へ行けるのも楽しみのひとつです。現在は街クラブで指導していますが、より高いレベルのブンデスリーガのアカデミーで指導する事を直近の目標にしています。自分がどの年代の指導者にフィットするのかはまだ模索中ですが、U15、U17、U19といった若い世代の一部リーグでの指導をしてみたいです。ブンデスリーガの仕組みでトップチームがチャンピオンズリーグに出場すると、付随してU19チームも若手のチャンピオンズリーグに出る事ができます。今年、フランクフルトが出場していて、ヨーロッパ各国の強豪チームと試合をしますが、ゆくゆくはそういったチームの指導にも関わっていきたいです。