高校時代に本格的に始めたGK。福岡大学時代の恩師から学んだ ”勝利への執念”小学校の時から算数がもともと好きで、数学の先生になりたいなというような思いで過ごしていました。それから中学、高校に上がるにつれてサッカー指導者や学校でサッカーを教えながら体育を教えている先生方にすごく興味を惹かれるようになったんです。僕自身もそういった先生方に大変お世話になったというのもあり、指導者になりたいなと思うようになりました。気づけば、現在のGKコーチというような形になったのが指導者を志すきっかけになったように思いますね。小中高とサッカーを続ける中で、多くの指導者の方に目をつけていただいて指導していただきました。特に印象的なのは、高校時代の僕をCBからGKにコンバートしてくださった方です。同学年にGKは4人いたのですが、それぞれの怪我や体調不良が重なったタイミングで、たまたま教育実習として来られてたGK指導を専門にしている教育実習生の方が監督さんに「GKさせてみたらどうですか?」と提案したんです。最初はGKが怪我から復帰するまでの1ヶ月の予定だったんですけど、あれよあれよというような形でGKを続けることになりました。(笑)そこから福岡大学に入学し、大学サッカー界の重鎮でもある乾先生のもとで指導を受けました。GKが当時15人いて、1年生の頃は15人中13番目の選手だったんですけど、2年生から急にA2と言われるいわゆる二軍まで急に引き上げていただいたんです。そこからいろんなチャンスを与えてもらい、自分を伸ばしてくださった本当に尊敬している指導者の方です。 また、乾先生ご自身がすごく勝利にこだわりを持った監督さんだったので、勝負に対する準備だったりチームマネージメントには多くの学びがありました。実力的には4年生になってもベンチに入れないぐらいのレベルだったんですが、自分のキャラクターを見てくださり、ベンチ入れてくれたのかなっていうのは今でも思いますね。(写真上段左端が満留さん)「フロントと指導者の二本柱が相互作用を生んでいる」現在は、鹿児島ユナイテッドFCの営業部としてのフロント業務と掛け持ちで、スクール指導に携わっています。元々選手として在籍していたクラブのフロントで働き始めてから、クラブのことはもちろん鹿児島のことを外から見る立場になって多くのものに気づいたんです。フロントではスポンサー様への営業が主な業務になりますが、年々増していく鹿児島やクラブへの想いが、ファンサポーターやスポンサー様獲得につながっている部分だと思います。スクールの運営も、部署は違いますが相互作用と言いますが、それぞれの活動に良い影響を与えることができているのかなと自負していますね。今GKスクールで教えているのは、U12(小学生年代)とU15(中学生年代)、高校生以上の年代なんですが、特に高校生年代以上の指導にはかなり力を入れています。僕自身が高校からGKを始めたというのもあり、公立の生徒やGKコーチがいない環境の生徒に専門的な指導を与えることのできる環境を提供できればいいのかなという思いです。GKスクールでの指導は7,8年目になっていますね。それくらいこの年代には強い思いを持ってやらせていただいています。選手に負けない熱量を持って、指導者自身が楽しむ姿勢を表現する指導の軸としては、『選手と同じ熱量もしくは選手以上の熱を持って指導にあたる』ことを大切にしています。面識はありませんが、試合会場で目の当たりにした大津高校総監督 平岡先生のお姿が、今の自分の指導者としての立ち振る舞いを意識するきっかけになりました。鹿児島城西高校で指導している時に、大津高校さんとはよく練習試合をさせていただいていたんです。年末年始ぐらいの寒い時期に、雪なのか雨なのかわからないくらいの天気で僕もGKのアップをしたくないほどの気温でした。試合が始まって、準備していただいていたテントの中に入って試合を見るじゃないですか。試合が進んでいく中で 朝礼台に傘もささずにずーっと腕を組んですごいコーチングを飛ばしている方がいたので、「あれ、誰かな?」と思ったら平岡先生でした。 選手と同じ環境で、本当に熱意を持って指導されているお姿を見て、「僕なんかの若造が甘えてる場合じゃないな」と締め直された気持ちになったのを、鮮明に本当に覚えています。さらにもう一つ大切にしている部分が、『選手が思い切ってプレーできるよう、選手の良さを最大限に引き出す』ことです。サッカーやGKをプレーするには、楽しいのが一番だと思っています。そういった選手が楽しいと感じる瞬間は、勝利ですよね。日々の取り組みもそうですが、できるだけ勝利という結果に結びつけるという部分につながってくると思います。結構トレーニング中は厳しいことも要求はするんですけど、それ以上にしっかりとした評価で選手たちを見るようにしています。もしかしたら指導されてる側は、「いや そんな褒めてないじゃないか」と思うかもしれませんが。(笑)個人的にはめちゃくちゃ褒めるようには意識しています。僕自身もトレーニング中のデモンストレーションだったり、喜んだり、悔しがったりと演出的な部分は多少ありますが、リアクションも大きめに行います。特に小学生は「コーチいいねー」みたいな感じでどんどん乗ってくるので、指導者が楽しむ姿勢を見せることによって、選手たちの第一歩を後押ししてあげることができるかなと思いながら指導しています。(写真右から2人目が満留さん)地元 鹿児島のGKたちが思う存分プレーできる環境をこれまで指導に関わった選手の成長が見られることが、指導者冥利に尽きるなと感じます。その中でも、例えば世代別代表に入ってくれたりプロになったりというのは見えやすい結果として嬉しさを感じます。さらにそれと同じぐらい嬉しいのが僕が教えた時にメンバーに入らなかったり、試合には出てなかったけど次のカテゴリーでサッカーを続けていたり、引退した後でもま指導者や違う形でサッカーに携わってくれたりする姿をみた時ですね。指導者として、サッカーの技術を上達させるのは一番の仕事だとは思いつつも、ずっとサッカーに携わってくれる人材を育成したり、サッカーを好きでいてくれ続けるメンタルの部分で働きかけをできていたのはそういった選手たちを見て「自分自身は指導が間違ってなかったのかな」と再認識させてもらっています。当然、指導している時は反抗期じゃないですけど、「ちゃんと聞いてるのかな?」と思うときもありますけどね。(笑)営業と指導の二本柱でやらせてもらっているので、営業部の一員としては鹿児島ユナイテッドFCというクラブを通して、”鹿児島をもっと一つにする” という思いがあります。みんなで応援できるコンテンツが鹿児島に10年前はなかったんですけど、こうしてJリーグクラブができたことによって本当にいろいろな人が繋がるようになりました。鹿児島ユナイテッドFCがきっかけで鹿児島にも盛り上がりが出来てきていますが、まだまだ鹿児島を盛り上げることができると思っています。営業を通してスポンサー様はもちろん、スポンサー様の従業員の方々がファン・サポーターとして広がり、どんどん鹿児島を盛り上げる人たちを増やしていくのが一つの夢です。GK指導者としては、いろんな形で鹿児島のGK育成や普及に貢献していきたいです。鹿児島のGKが活躍できる、飛躍できる土台をしっかりと整えていきたいと思っています。小学校年代や中学校年代の頃から、いずれはトップチームに上がるような選手であったり、そこに至らなくても大学でプレーを続けたり、違うチームでプレーを続ける選手を育てていきたいですね。鹿児島のGKたちがどんどん活躍していくような取り組みを今後も続けていければいいのかなと思っています。