Jリーグが与えてくれた "夢"小学生からサッカーを続けていましたが、中学時代にプロ選手になる事は諦めました。周りのレベルが自分より圧倒的に高く感じ、そこに食らいついていく気力も正直ありませんでした。それでもサッカーが好きだったので、選手とは違う形でどうにかJリーグのピッチに立ちたいというぼんやりとした思いを持っていました。毎週のように通っていたセレッソ大阪の試合中、ドクターやトレーナーがピッチに入って状態チェックや応急処置をしている姿を見て、トレーナーが具体的な夢になりました。高校卒業後の進路選択では関西圏でトレーナーを目指せる学校の資料を集め、オープンキャンパスにも積極的に足を運びました。関西医療大学で応対してくださった先生がサッカー業界で活躍されている方で、絶対この大学に入りたいと思い、入学。本格的な勉強をスタートしました。選手を諦めた僕がJリーグのピッチに立つ手段として目指したのが指導者でした。周りの指導者から受けた影響今まで色んな人の言葉に影響を受けてきました。大学時代は『人のために自分の力をつけなさい』という事をよく言われていましたし、現場に足を運ぶ事やロジカルに話す事も意識づけられました。大学院時代は『熱意を持って本気で取り組む事の大切さ』、ロアッソ熊本に来てからは『プロの世界とは?』を一番学びました。選手もスタッフも常にサッカーの事を考えて行動していました。これらの経験は全て今の自分の姿に繋がっていると感じます。知識や方法論はもちろん大切で、常に吸収し続けなければなりませんが、あくまでそれらは道具。土台には熱意やスタンスが不可欠だと日々痛感しているところです。目的に合った情報を受け取れる存在としてコーチがいる冒頭の話にも繋がるのですが、初めはトレーナーを目指し治療等の知識を大学で学んでいました。治療はもちろん大切ですが、次第に怪我を予防する事、身体を強くする事が必要だと感じるようになりました。そこから、フィジカルコーチを目指しました。アカデミーの選手は成長期という事もあり、他の年代に比べて怪我に対するリスクが高くなります。そういった意味でもコンディショニングコーチの介在価値は高い現場です。彼らはある意味で何も知らないまっさらな状態でチームに参加するので、まずは『身体を作る事の大切さ』『しっかりご飯を食べる事の大切さ』『休養を十分に取る事の大切さ』の3つの軸を伝え続けています。現代はyoutube等を通じて情報に手軽にアクセスでき、その量も膨大です。自分の目的に合った情報を選択する為に、正しい知識を持ったコーチが側にいる事は大きな助けになると強く感じています。Jのピッチを目指し、強い体の選手たちを増やしたい関わった選手が活躍している姿を見るのが何よりも嬉しいです。例えば、ロアッソ熊本からU17代表に選ばれた道脇豊選手はアジアカップで戦って得点も決めているんですが、自分の事のようにワクワクします。たとえプロになれなかったとしても、就職して名刺を持ってスタジアムに遊びに来てくれた教え子の姿を見るのも感慨深いです。『選手としても人としても自立した個を育てる』というのがアカデミーのフィロソフィーでもあるので、どんな形であれ目標を体現する教え子の姿に感動を覚えます。個人的な目標は2つあります。短期的にはメインで活動しているユースチームとしての目標を達成する為に自分ができる事を100%行動に移す事です。週に1~2度ですが関わっているジュニアユース以下のチームの選手達に対しては、少しでも強い身体を作って上のカテゴリーに進めるようサポートしていきたいです。長期的には、選手としてではなく、裏方としてJリーグのピッチに立つという当初からの夢を諦めず追い続けたいですし、選手のサポートがより良く出来るように成長し続けたいと思います。