『GKとしてプレーする子どもたち、鹿児島の子どもたちに夢を与えられるような選手に』全国屈指の名門 鹿児島城西高校から早稲田大学を経て、2025シーズンからサンフレッチェ広島でプロの人生を歩みだすヒル袈依廉選手。彼を小学生から高校生まで指導してきたGK指導者 満留芳顕さんとの対話から、ヒル袈依廉選手の人間性やマインドセット、歩んできたサッカー人生に迫る。本記事は、公式YouTubeにて公開中の動画から、一部抜粋して公開。ヒル袈依廉選手の原点、GKへの道ヒル:僕がGKを始めたきっかけは、小学校4年生のときに少年団のコーチから「GKをやってみないか」と声をかけられたことです。最初はバレーボールをしていたので断っていたんですが、何度も誘われてやってみたらすごく面白くて、それからどっぷりハマってしまいました。満留:ヒルが最初にGKを始めた頃から、他の選手とは違う特別な何かを感じていたね。背が高くて身体をスムーズに動かせる姿は今でもよく覚えているよ。ヒル:ありがとうございます。もともと空手やバスケットボールなど、いろいろなスポーツをやっていたこともあり、その経験が身体の動きに活きているのかもしれません。満留:そうだよね。いろんな競技を経験してきたことで、運動神経が磨かれてきたんだと思う。特にGKのポジションにフィットしていたよね。ヒル:はい、最初からGKとしてプレーすることが楽しくて仕方なかったですね。そこから本格的にサッカーにのめり込んでいきました。全国大会で輝いた中学時代と強豪高校での三年間満留:育英館中学校時代は、全国大会での活躍が印象的だったね。ヒル:はい、あの全国大会は自分にとって特別なものでした。中学3年生のときに、青森山田との決勝戦で戦ったことは今でも鮮明に覚えています。1対2で惜しくも負けてしまいましたが、自分のサッカー人生で一番輝いた試合です。負けて悔しい気持ちもありましたが、それ以上に自分の自信につながったと思います。満留:全国大会で得た経験は、大きな糧になったよね。満留:鹿児島城西高校では、袈依廉の成長が一段と見られた時期だったと思うけど、実際にどうだった?ヒル:高校時代は本当にいろいろな経験をさせてもらいました。1年生の時からトップチームで試合に出させてもらったのですが、最初はインターハイ予選でデビューし、その後、プリンスリーグでの試合にも出場しました。でも、1年の選手権予選ではFWとしても試合に出たりしていました。満留:懐かしいね(笑)FWの準備はしていたの?ヒル:試合前からFWでの練習をしていたので、チャンスがあれば出場するのかなと思っていました。あの時は、本当に何が起こるか分からないというか、自分でも驚きました。満留:城西高校での練習や試合を通して、培ったものや進化した部分はあったのかな?ヒル:一番は練習量が増えたことですね。自分と向き合う時間が増えたことで、プレーの振り返りや反省、そして次へのチャレンジにつながっていったと思います早稲田大学での厳しい環境とプロへの思い満留:まだ終わっていないけど、早稲田大学での日々は振り返ってみてどうだった?ヒル:早稲田に入ってからの3年半は本当に厳しい環境でした。中学や高校ではずっと試合に出させてもらっていたんですが、大学に入ってからは最初の1、2年はそこそこ出場機会があったものの、3年、4年になると急激に出場機会が減りました。満留:試合に出られない中で、どうやってモチベーションを保っていたの?ヒル:試合に出られないときこそ、ベンチからどういう声かけをすればチームにとってプラスになるのか、そういったことを考えるようにしました。自分の学びとしては、プレーだけでなく、人間的な厚みを増やすいい機会だったと思います。満留:大学での経験がプロへの思いを強くしたのかな?ヒル:はい、そうですね。大学に入ってからプロを目指す気持ちはより強くなりました。Jリーグのチームに参加していろんなGKと練習させていただいたことで、自分のプレーの良いところや課題が明確になりました。その中で自分に足りない部分を知り、最終的にはサンフレッチェ広島で成長したいと思うようになりました。サンフレッチェ広島でのプロ生活への意気込み満留:いよいよ来年からはサンフレッチェ広島でプロとしての生活が始まるね。プロへの思いを聞かせてほしい。ヒル:高校時代からプロを意識していましたが、大学での経験がよりその思いを強くしてくれました。広島には日本代表GK 大迫敬介選手が在籍していますし、同じ鹿児島出身でもあります。今までの経験を活かして、広島でたくさんのことを盗んで自分のものにしていきたいです。1年目からチャレンジして、鹿児島の子供たちに夢を与えられるような存在になりたいと思います。満留:その意気込みでぜひ頑張ってほしい。鹿児島の子どもたちから、袈依廉を背中を見てプロを志す子達が増えると嬉しいな。勝手ながら、鹿児島の夢も背負って戦ってくれると期待してるよ。ヒル:ありがとうございます。これからも鹿児島を背負って頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。