2022年4月1日、Footballcoach会員限定の月例交流会第一回目を開催いたしました。毎月1日にテーマを設けてディスカッション、意見の共有を行う交流会今回は、『Jリーグの観客動員数を増やすには?』『交代枠5人に増加でJリーグはどう変わる?』の二つのテーマに沿って約一時間程度の交流会を楽しみました。現役のプロ選手から、サッカー指導者、メディカルトレーナー、サポーターまで幅広い参加者の方々が集まってくださっている当コミュニティで、それぞれの視点から熱く語り合う一時間に。そこには、「世界の事例を学び、今後の日本サッカー界が歩む道への期待」が詰まっていました。女子クラシコが世界に与えた衝撃と希望第一回目の交流会は、女子サッカー界歴代最高の観客動員数を記録したこの試合の話題から幕を開けました。カンプノウで行われたUEFA女子CLの準々決勝2ndレグで実現したバルセロナvs レアルマドリードの “エル・クラシコ”9万1553人の観客動員数を記録したこの試合は、日本でも大きく取り上げられました。この話題には、「素直に驚きました。」と参加者の方々は口を揃えておっしゃるのと同時にロンドンでサッカー指導者として活動されている方は、海外におけるサッカーの影響力をお話ししてくださいました。「イングランドでは平均で2000~5000人が女子サッカーの試合に訪れます。アーセナルとチェルシーの試合では4万人ほど入りましたね。日本サッカー界では男子のJリーグでも4万人入ればビッグマッチ。男女で比べるのはおかしいですが、国に根付いたサッカー文化の違いがこのような結果を生んでいると思います。」この意見には、頷けます。プロスポーツで言うと、まだまだ国民の関心としては地上波での試合放送が少ないJリーグよりも年間140試合ほど行われるプロ野球に傾いている印象です。しかし、この現状は決して悲観するものではなく、こうしたヨーロッパのサッカー文化は必ず日本にも根付いてくるはず。実際にプロのユースチームで指導されている方が「日本のJリーグチームはスタジアムまでのアクセスの問題やスタジアムの問題によって、なかなか足を運びにくいチームもあります。」とおっしゃるように、今後はスタジアムまでのアクセス面やサッカー専用スタジアムの建設などによって ”スタジアムでサッカーを見たくなる仕掛け作り” も重要になってくるのではないかと考えられます。女子クラシコが世界に与えた衝撃は、記録だけでなくサッカーを世界中に文化として根付かせるためのいいきっかけになりそうですね。交代枠の増加は試合のクオリティに影響するのか交代枠が三人から五人に変わったことに関してのディスカッションもさまざまな視点から深いものになりました。ユース年代からプロの選手まで幅広い年代のメディカルケアを行なっている方から「交代枠が増加したことで、より多くの選手の起用が可能になった傍ら11人中の約半分を入れ替えれることが可能にもなったので全く違う試合展開にならないか心配です。」といった声も上がりました。Jリーグでもコロナ禍と同時に始まった交代枠の拡大ですが、FIFAが世界的にこのルールを恒久化すると表明し、チームマネジメントにも大きな変化が起こっています。2022年カタールW杯でも交代枠5人制が採用される流れになりました。このような世界におけるサッカー全体の大きな変化についてプロの選手は、「選手の自分達からすれば、試合開始と同時に体力温存を気にせずフルスロットルで試合に入れるので、よりインテンシティが高い試合の入りができるようになりました。」とポジティブに答えてくださいました。選手の視点ではより強度が上がる試合運びができる一方で、指導者目線からすれば試合を読んで交代選手を投入するという手腕が問われます。「その試合では五人の交代枠ですが、コロナや怪我など年間を通してメンバー編成を組まなければいけないため頭を悩ませる機会が増えそうですね。」と指導者の方々が語るように、序盤からフルで力を発揮できる選手・メンバー編成に手腕が問われる監督・試合のクオリティに差が生まれないのか心配する観客。それぞれの間で捉え方が違うのも面白い点ですね。多角的な視点から、日本サッカーの未来を創り出す4月から始まった会員限定の月例交流会サッカー指導者を中心とした、当コミュニティ Footballcoachにおいて引き続き大切にしていきたい貴重な時間です。良し悪しをディスカッションするのではなく、それぞれの視点から “できること” を考え、情報を共有する。 Footballcoachはサッカー指導者はもちろん、プロ選手、メディカル、サポーター、起業家などさまざまな方にご参加いただいているコミュニティです。それぞれの立場だからこそ見えるもの、感じることを互いに共有し合える時間が月例交流会となっております。多角的な視点から広い視野で日本サッカー界を俯瞰し、日本サッカー界を指導者の力で変えていけると信じています。サッカーが日本人にとっての一つの”誇れる文化”となる日がくることを願って。