「不安は、自分次第で変えられるものではないんです。考えれば考えるだけ頭から離れなくなって、どんどん不安が大きくなる。こうなる前に、自分でコントロールできるものとできないものを分けて考えることが重要です。」スポーツだけでなく、日常生活において我々人間はさまざまな出来事に感情を抱き、時には心配や不安などメンタルの問題に振り回されることもあると思います。今回の映像は、『指導現場から日常に役立つ思考まで「心理学の視点で捉えるFOOTBALL」』のコンテンツとして、片田先生の著書 『ズバ抜けて結果を出す人だけが知っている 感情に振り回されないための34の「やめる」』にも収録されている内容となっております。恋愛、子育て、友人関係...さまざまな状況において抱く感情と上手く付き合い、その感情さえも楽しむことができるヒントを得た素敵な時間となりました。“不安は健全” 不安と共存することで感情を楽しめる「今日お話するのが ”感情のコントロール” ではないというところを、まずは理解して頂きたいです。おそらくコントロールと聞くと制限する、押さえつけるというイメージをみなさん持っていると思うんですよ。そうじゃなくて自分自身の感情を知り、メンタルに向き合うことでマネジメントできるようになるんです。そうすることで、もっと自由に感情を楽しむことができます。」冒頭で片田先生がおっしゃったこの一言から、そもそも感情に対してはコントロール(制御)するのではなく、マネジメント(管理)することが必要なアクションだということがわかります。「例えばサッカーの指導では、不安に駆られている選手がいた時に、指導者はその不安をどうやったら取り除けるかというアプローチをすると思います。このような選手の不安を、どうにか排除することは出来ないか。こういったアプローチは間違ったアプローチです。不安は、本番になって焦らない・恐怖心に駆られないための準備の衝動です。だから指導者が、 今感じているのはむしろ健全だよねと言ってあげることが大事です。たったこれだけのことですが、言い方を変えてあげることで不安に対してネガティブな印象を持たなくなります。選手のメンタルケアにも繋がりますね。」この言葉に、新たな気づきを与えられた指導者の方も多いのではないでしょうか。不安を抱くことを悪いものと捉えるのではなく、不安と共存していく姿勢を取ることで心が軽くなります。このように、私たちが ”日々感情を抑え込むことへ使っていたエネルギー” を ”最高のパフォーマンスを出すためのエネルギー” に変えてあげることが心の健康を保つ秘訣であると感じました。感情に振り回されない人が実践する “線引き “「このような不安は、自分次第で変えられるものではないんです。考えれば考えるだけ頭から離れなくなって、どんどん不安が大きくなる。こうなる前に、自分でコントロールできるものとできないものを分けて考えることが重要です。」この、”自分でコントロールできるものとできないもの” に関して実際に片田先生の著書 では、権内と権外という言葉で表現されています。「権内は「今」の話です。今ここで何をするか、何を言うか、何を判断するか。権内はそれしかないです。その積み重ねが未来であって、未来は結果です。だからそれにあまり縛られないことです。そうすると楽になりますよ。だって考えることが「今」何を判断するかだけでいいんだもん。すごく楽ですよ。」日常においても、これがスポーツやサッカーにおいても非常に重要である心構えであるといます。自分の思い通りのプレーを試合で出せるのか、いい試合結果を出すことができるのか。常に先を見据えるスタンスは大事ですが、先に起こりうる結果は ”今の自分の行動” にかかっています。「結果は重要ですが、執着するのはおかしい。結果は自分で決められないけど、いい結果を出すために練習に励んだり結果が出なくて悔しい気持ちを抱くのは大事じゃないですか。だから結果は目的じゃなくて道具なんです。頑張るための道具に過ぎないのかなと思います。」権内と権外。この二つの間にしっかりとした線引きを設けることが、”感情をマネジメントする” という言葉の真意ではないでしょうか。結果を出せる子どもの保護者は〇〇をしない?! 心理カウンセラーが語る ”教育のすすめ” 世界の常識、セーフガーディング。恐れてプレーしても上達しない、イキイキとプレーする選手を増やす環境づくり。根底を知り、排除するために必要なものを考える。 暴力をこの世からなくすために我々がすべきこと