「保護者の方には覚えてほしい、実践してほしいお子さんへの声かけを今日はお話しします。」ズバ抜けて結果を出す人だけが知っている 感情に振り回されないための34の「やめる」 を執筆されている心理カウンセラー 片田智也先生。勉強、スポーツ、就職活動などで結果を出せる子どもに共通するある部分とは?また、結果を出せる子どもの保護者が絶対にしないあるものとは?片田先生にご出演いただいた別企画として、"職場で心をすり減らない" 考え方についても語っていただいています。結果を出せる子どもの親は〇〇をしない「多分え?ってなる答えかもしれませんが、〇〇に当てはまるのは ”結果に固執” です。『結果に固執するから結果が出せるんじゃないの?』というのが一般的な考え方だと思います。ただ、心理的に見たら逆のケースが多いんですよ。実際にお話伺った、お子さんが学生レスリングの選手だったお父さんの話をしましょう。実力はすごくあった選手なんですが、なかなか勝てないとおっしゃっていたんです。練習チャンピオンという言葉があるように、いざ本番になると実力の半分も出せなくて負けちゃう。これはどういうことなのか、お父さんは悩んでいました。話を聞き進めると、息子さんに試合前に『絶対勝ってこい、負けは許さん』と声をかけていたんです。明らかに結果に固執しているような表現で。お父さんに聞いたら学生時代にご自身もレスリングをされていて、結果が出せなかったそうなんです。これはコントロールできないものに固執している状態なので、コントロールできないものは気にしないほうがいいです。イチローさんは、『ライバル選手の打率をどう思うか?』という問いかけに対して、『彼らの打率は僕にコントロールできません』と答えました。自分自身でどうにもできないものは眼中から外す方がいいと強くお勧めします。」片田先生が常々おっしゃる、『自分自身がコントロールできないものに対する心配はやめましょう』というメッセージ。中々わかっているようで実践できない人の方が多い問題かと思いますが、片田先生の言葉をうまく汲み取ることができれば一気に心が軽くなるように思います。考えるべきものは『自分次第で決められるかどうか』「松井秀喜さんにも同じようなエピソードがあります。『メディアで描かれることは気になるのか』という質問には『記者の書くことをコントロールできないので、全く気になりません。』と一言。陸上の為末大さんも同じような発言をされているんです。では、なぜコントロールできないものに意識を向ける必要がないのでしょう。それは、無駄な緊張が生まれ自分のパフォーマンスに集中できないからなんです。コントロールという言葉の定義にもなるんですが、『自分次第で決められる』というものに置き換えてもらうとわかりやすいです。テレビのリモコンやスマホは自分で好きなように切り替えることができますよね。それと違い、気にしても気にしなくても結果を自分で選ぶことはできないんです。こういった割り切りができる人とできない人ではパフォーマンスの質に大きく差が出ます。浮いたエネルギーを自分次第でコントロールできるものに当てる事ができると、自然と考えなくていいものが減るのでおすすめです。自分でコントロールできるものを権内、コントロールできないものを権外と僕は呼んでいます。権外を考える余裕を権内に回してあげましょう。」筆者も片田先生との出会いから権外を意識せず、権内にのみフォーカスを置くことでこれまで抱えていた不安や心配が減り、パフォーマンスの向上に大きく繋がったという自覚まで芽生えました。「心理の世界ってパラドックスが多いんです。不安を消そうとすればするほど不安が増大したり。このように逆転させる方が上手く行ったりもするので、結果を考えすぎないことで不安も抱えなくて済むということになります。本当に結果にこだわるのであれば、結果論であると割り切ることで結果が出やすくなるということです。フィンスイミングの元日本代表だった堀内ただすさんはよくお話しさせていただくんですが、その方も『緊張→緩和はいいけど緊張だけはだめだ』とおっしゃっていました。アスリートとして結果を出したご自身で掴み取った感覚だとは思いますが、コントロールできるんだろうなと思いました。」この、権内と権外の割り切りが結果に大きく左右するという事ですね。自分自身が持つ力を最大限発揮するためにすべきこと「外的要因を視界から消すことが必要です。特に一流のアスリートは結果を気にせず楽しんでいる方が多いイメージです。やりたいことやって楽しんで結果が出ちゃうということです。フィギュアスケートって、大会が終わった翌日にエキシビションがあるじゃないですか。選手みなさん楽しそうですよね。勝ち負けを常に求めすぎてしまうよりも、楽しむ気持ちがある方が見ている方も楽しいと思うんです。冒頭で述べたお父さんにも理屈を理解して頂き、言葉使いを結果に固執しないニュアンスに少し変えた上で指導してみてくださいと促しました。『結果は気にするな、練習だと思って好きなようにやれ』と息子さんに声かけしたそうですが、しばらくして大きな大会で勝ちましたとご連絡いただきました。その時に、『私自身が不安で。結果に固執するような声かけをしてしまっていた。』とおっしゃっていました。大人の方が結果を求められる事が多くなるので、中々難しいとは思いますよ。この声かけを保護者の方ができれば、お子さんものびのびと楽しみながら成長してくれると思います。もう一つ『〇〇をしない』の答えをあげるとすると『失敗する権利を奪わないこと』。見守るのは大変だと思いますが、悔しい思いや失敗をお子さんにはいっぱい経験させてあげて欲しいです。」『個人でメンタリングを受けたい』『集団(チーム等)で講習をして欲しい』などの片田先生へのご依頼があれば以下お問い合わせフォームまでご連絡をお願いいたします。お問い合わせフォームhttps://footballcoach.jp/form感情に振り回されない人が実践する「権内」と「権外」の見極め方世界の常識、セーフガーディング。恐れてプレーしても上達しない、イキイキとプレーする選手を増やす環境づくり。根底を知り、排除するために必要なものを考える。 暴力をこの世からなくすために我々がすべきこと