Footballcoachには、さまざまなカテゴリーで指導されるサッカー指導者の方々にご参加いただいております。それぞれ経験されたものが違い、また持たれている特徴やこだわりも全く違うため十人十色のサッカー指導者の皆さんです。今回は、まずは日本でサッカー指導者を目指す方に実際にどのような歩み方があるのか、ライセンス制度にも触れつつ、Footballcoachにご参加いただいているさまざまなサッカー指導者の方々を紹介しながらサッカー指導者になるためのルートを発信していきます。サッカー指導者になるための一般的手段。指導者ライセンスの取得サッカー指導者になるための一般的な手段としてあげられるのが、指導者ライセンスの取得です。日本サッカー協会(JFA)が独自で定める制度によって、サッカー指導者を生業としたい方は大抵の方が取得を目指します。ライセンスには、D級からトップランクのS級まであります。S級:JリーグクラブトップチームやWEリーグ、日本代表監督などA級(ジェネラル):JFLやなでしこリーグの監督、JリーグクラブのコーチングなどA級(U-12):Jリーグクラブ下部組織での12歳以下の指導には必須B級:高校生以下のチームの監督、コーチなどC級:小学生のチームの監督、コーチD級:指導者ライセンスの最も初級。このように細かく分類され、各級では認定までに要する時間も異なるためJFA公式サイトなどで詳細をチェックする必要があります。上記に挙げたものは、あくまでもJFAが定めたものなので他の国のライセンスとの互換性が必ずしもあるとは限りません。現に、欧州での指導となれば欧州サッカー連盟(UEFA)が定めるライセンス制度に従ったライセンスの取得が必要です。さらに、フットサルやGKの指導にはそれぞれ別のライセンスが必要になるので注意が必要です。サッカー指導者としての歩み方は人それぞれ。冒頭で述べた指導者ライセンスの取得は、あくまでも一つの方法として存在するものです。もちろんライセンスを持っている指導者は、信頼や実績として残るので活動の幅は大きく広がります。しかし、指導者ライセンスがなければサッカーの指導者になれないなんてことはありませんし、サッカー指導をしながら仕事をしている指導者の方も多いです。Footballcoachにご参加くださっているサッカー指導者の中にも、サッカー指導一本でされている方もいればそうではない方もいます。「指導者から教わったことがないので、僕の中には ”指導者像” がなく、任された仕事とはいえ遠い存在でした。まずは『サッカーを教えるってなんだろう』と考えるところからのスタートだったんです。」こう語るのは都立保谷高校サッカー部 GKコーチの田中隆晴さん。田中さんは、国語科教員として高校に勤務し部活動や地域トレセンの指導を行うサッカー指導者の方です。ご自身がサッカーをしていた頃、専門的な指導者に出会わなかったという経験から、「自分が見ている選手たちに同じ思いをさせたくない」と選手と一緒にサッカーを考えながら指導されている "常にプレーヤーズファースト" なサッカー指導者です。鎌倉インターナショナル 監督の河内一馬さんは、サッカー指導のほかに自チームのブランディングや執筆活動(主な著書に『『競争闘争理論』』)、NPO活動を行うなど多岐にわたります。「サッカー以外のことや指導者以外の目線を同時に身につけることでより良い指導者、より良い監督になれるのではないかなと思っています。サッカー以外でも自分がやりたいことを同時にやりながら指導を勉強するのが役に立つということを発信していきたいです」アルゼンチンでの生活を経て南米サッカー連盟最高位ライセンスも保持しながら、サッカー以外の経験や考え方が、人との出会いがピッチでの選手の指導にも大きな意味を持つとおっしゃっています。熊本県にある人口5万人ほどの小さなまち、荒尾市にはサッカーを通した人材育成に大きく貢献しているサッカー指導者がいます。山代進さんはJA職員として勤務しながら、街クラブ 荒尾FCの代表も務めます。「小さなクラブ出身の子たちが中学生に上がった時に、中心地の大きなクラブ出身の選手に技術的に追いつくことが難しく、どうしても差が生まれてしまうんです。中心地のチームと戦うには、もっと早い年代から適切な指導を受けなければいけないという思いが芽生え、自分が立ち上がらないとと思いました。」地域のサッカーを楽しむ子どもたちを見てきて感じた課題感を使命として、強い思いのもとクラブを立ち上げました。そこに強い思いがあるか。経歴や資格だけがサッカー指導者として重要ではない。上記でご紹介したサッカー指導者の方々の他に、Footballcoachでご縁をいただいたサッカー指導者の方々は『サッカーに対する思い』『選手に対する思い』『地域や社会に対する思い』など強い思いを持って活動されています。指導者への道は様々として、こういった色んな道を歩んだ人との対話を通じながらサッカー指導について学べるのもまたFootballcoachの魅力です。ライセンスや経歴、選手としての実績ももちろん重要ではあると思いますが、それだけで "良いサッカー指導者なのか" 評価されるものではありません。強い思いや背景があり、サッカーを通して選手や社会、地域、チームに還元していくのが本当の意味での素敵なサッカー指導者であるとFootballcoachで出会った指導者の方々から強く感じました。夢破れた経験は情熱に 努力が報われる世の中を目指すGK指導者医学の知識やアルゼンチンでの生活が作り上げた、多角的視点を持つ指導者サッカーを ”最高の遊び” にできる子どもたちが増える 世の中を作りたい