1993年より大津高校に着任し、以降50名を超えるJリーガーや日本代表選手を輩出。インターハイ15回、選手権17回出場を誇る強豪校に育て上げた大津高校サッカー部総監督の平岡和徳さん。平岡さんが掲げるのは、『プロ選手の輩出』ではなく『社会で通用する人材育成』。サッカーが上手い人材だけではなく、社会で通用する人材育成をどう捉えているのか。平岡さんを恩師と仰ぎ、自身も5年間平岡さんのもとで指導者としてのベースを培ったと語る澤村公康さんが迫ります。%3Ciframe%20width%3D%221920%22%20height%3D%221080%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FDZIZjsiRuI8%3Fsi%3DMiYezZDrDT8TwU20%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E指導者としてのベースは、オープンマインドとアスリートファースト「これまでサッカーをきっかけに、さまざまな人との出会いに恵まれてきました。小学校、中学校の頃には全国大会へ出場させてもらえましたし、高校では帝京高校で師匠でもある古沼先生との出会いもありました。そして、まさに澤村くんとの出会いも『一期一会』。出会いというものが自分の人生をいい方向に進めてくれているなと思います。」ご自身の人生は出会いがあってこそだと、平岡さんは語ります。これには澤村さんも「平岡先生にいただいた『絶対謙虚』や『人生我以外皆師』などの言葉は、自分の座右の銘になるほど大切にしています。」と一言。選手はもちろん、サッカーに関わらず全ての人への感謝、リスペクト、オープンマインドはお二方の共通する点であると言えます。「我々指導者が大切にすべきはいかに子供たちのcannnotをcanに変えるか、内側のやる気スイッチをどうやってオンにするかということ。そして、子供たちに言うには我々指導者が実践する、継続することがすごく重要です。こういった想いで日々、人づくりに携わらせていただいています。」熊本県の高校サッカー部 55チームのうち19チームは大津OBが率いており、本年度のインターハイ県予選ではベスト8すべてが大津から巣だった指導者のチームだったそう。50名を超えるJリーガーだけでなく、指導者としても多くの人材を輩出してきた平岡さんが掲げる『人づくり』にもう少し迫ってみましょう。「必ずの成功は約束できないけど、必ずの成長は約束できる」「ロアッソ時代の教え子 シュミットダニエルや、サンフレッチェ時代の教え子 大迫敬介、大津時代の教え子の井上敬太(現 柏レイソルでトップチームGKコーチ)の活躍をみていると、感慨深いものがありますね。」澤村さんがこうおっしゃるように、選手・指導者として長く活躍する教え子たちの共通点は、やはり人間力。これには、平岡さんも続けます。「井上敬太は高校時代レギュラーでもなかったけど、僕が大事にしている『サッカーへの取り組み』というものが、試合に出る11人に匹敵しているほどありました。人間力、サッカーに対する情熱を僕は無視できないので、チームに加わる大きなエネルギーだと思ったらトップチームに帯同させます。現に井上敬太は澤村くんと一緒に、GKコーチとして選手権のベンチに入らせましたしね。そういった機会が選手たちの未来への入り口にもなりますし、どんどん子供たちを信頼して成長の場を提供することは僕の趣味なんです。」「必ずの成功は約束できないけど、必ずの成長は約束できる」と平岡さんがおっしゃるように、まさにこれこそが平岡イズムであり大津スタイルを象徴するエピソードです。こういった大津スタイルは、部活動に入るタイミングから始まっています。大津高校サッカー部は入部前のスカウトを一切行わず、志高く自らの意思で入部してきた選手たちばかり。現在は部員が200名を超えるほどの大所帯です。それでも『来るもの拒まず、去る者おらず』と平岡先生が表現されるように辞める選手はいません。ピッチ内での実力競争だけではない、『人間力が育まれる』環境が子供たちの未来の入り口になっているのです。『指導者の五者』は、人生における哲学に「『指導者の五者』と言う言葉も、平岡先生から教えていただきすごく心に残っています。この言葉にはどういった意味合いが込められているのでしょうか?」と澤村さん。「これは僕の哲学の一つでもあります。まず一つ目に、『指導者たるもの教育者でなければならない』ということ。人、子供たちのお手本になり、尊敬される人間になるということですね。二つ目に、『学者』。専門分野に関して、学び続け一目置かれる存在であるべきという意味です。三つ目は『易者』です。占うという意味で、常に先見の明を持ってチームの未来だけでなく、子供たち一人ひとりの未来に関わるという姿勢を指します。四番目は『医者』。子供たちの小さな振る舞いからコンディションを確認し、個性まで把握しておく必要があるということですね。最後に、この一つ目から四つ目をちゃんとやるだけの『役者』が一番大事なんですよ。『役者』の一番大きなテーマは、やらせるところからスタートして、子供たちの意欲をいかに生み出すことができるか。子供たちを夢中ににさせるくらいの役者でなきゃいけないんです。それができなかった人が、体罰や暴言などで子供たちを犠牲にするんですよ。僕は古沼先生という大監督、役者に育てられましたが子供たちへの心配りは本当に上手な方です。」平岡さんはご自身にとっての恩師 帝京高校時代の古沼監督を例に挙げ、哲学にもなっている『指導者の五者』を語ってくださいました。志を持った選手たちが、主体性を持って自らの成長を続けていく。平岡さんがこの30年間築かれてきた大津高校の伝統やスタイルが、選手たちを一人のサッカー選手として、一人の人間として大きく育む環境を形成しています。一人でも多くの指導者、教育者の方々にご覧いただきたい特別なインタビューとなりました。動画全編視聴はこちらから