「子どもがサッカーを始めたいけど、チーム選びの方法がわからない」「今のチームのコーチ、指導者が本当に子どもに合っているのかな?」保護者の方から多く聞く、このような声。そこで、指導者名鑑などで全国のサッカー指導者を紹介しているFootballcoachが日本全国の同じような悩みや考えを持つ保護者の方に向け、インタビューを実施。「サッカーを通し、スキルや人間性が大きく育まれる環境選びの一助になれば」と、二名の保護者の方にご協力いただいた内容をお届けします。特に注視したのは、『試合中のチームや指導者の雰囲気』-お子様の年齢やプレー環境について教えていただけますか?息子は現在17歳でGKとしてプレーしています。アメリカで生まれ育ち7歳でサッカーを始め14歳まではGKだけでなくフィールドプレイヤーとして試合にも出ていました。現在はスウェーデンに移り、スウェーデン一部クラブのアカデミーでプレーしています。-これまでのチーム選びの決め手や、途中でチームを変えたことがあればその理由も教えてください。自宅と学校からのアクセスの良さ、育成実績、育成環境、他プレイヤーのレベルの高さ、ヘッドコーチとGKコーチの印象、トレーニング内容、怪我に対するコーチの扱いなどを踏まえて総合的に評価して決めました。普段のトレーニング風景や内容も大事ですが、試合中の指導者やチームメイト、サポーターの言動や息子自身の実際に試合でプレーしてみての感覚などもとても大切にしたかったので、そういった部分は練習参加の期間に細かく見ていました。これまでに、息子の希望でよりレベルの高いチームに変えたこともあります。『年間を通してGKコーチが常任しているか否か』『GK専門コーチが居ない場合はチームトレーニング以外にプライベートトレーニングの時間が確保できるか』などを考慮していました。ただチーム選びで最も大切にしていたのは、親の意向ではなく全て息子の意向だということです。サッカーと子どもたちが大好きで、それが子どもに伝わる指導者が『良い指導者』-親御さんが思う、『いい指導者』の定義は?私は、子どもには怪我なく思う存分サッカーを楽しんでもらいたいと思っています。そのため特に小中学生の頃は、指導者自身がサッカーと子ども達が大好きで、それが子どもに伝わるような子ども達との関わり方ができることが『いい指導者』の定義だと感じています。息子が7歳の時に出会った生涯サッカーを推奨するクラブの指導者は「サッカーが大好き」が全身から溢れていて、彼と出会ってから息子のサッカー愛も倍増するほど影響を受けたそうです。-Footballcoachでも多くの指導者の方々にご縁をいただき、発信させていただいています。澤村公康さんの記事を拝見し、Footballcoachのイベントにもよく参加させていただいています。実際に、とても多くの素敵な指導者の方々が日本にもいることが分かりいい意味で驚きました。体罰や過酷な指導環境など、海外に住む私からは考えられない状況が日本にあることをニュースなどで聞く事もあるので、Footballcoachで子ども達を大切に思いながら真剣に今後の育成のあり方を考えていらっしゃるのが伝わってくる指導者や運営の方の熱い想いには感動します。チーム選び、指導者選びに悩む保護者へ-最後に、チーム選び、指導者選びに悩む保護者へ伝えたいことをお願いします。複数のチームから選ぶ際には、子どもと一緒にそれぞれのチームや指導者の長短を思いつく限り書き出して子ども自身にとって何が大切なのか聞き出すことも、良い選択をする役に立ちます。可能であれば、加入前に試合を見に行き、練習参加をして、他の保護者の雰囲気や指導者の方の試合での声かけなどを見聞きすることも試してみてください。お子さんやご自身の方針に合うか見極めるために大切なことだと思います。子どもが楽しくサッカーを出来るチームと指導者かどうかが、子どもがサッカー好きのままより高みを目指したいと思う原点。もしも子どもが辞めたいと言い出したらその理由を探り、さまざまな指導者に相談して子どもの選択を増やすなど解決に向けて子どもと一緒に考えると共に、常に子どもの意思を尊重してあげてください。強みだけでなく、弱みも早期に伝えてくれる指導者との出会い-お子様の年齢やプレー環境について教えていただけますか?福岡でGKをしています。小学校六年生で、まさにこれから次のチームを決めるタイミングです。-これまでのチーム選びの決め手や、途中でチームを変えたことがあればその理由も教えてください。息子が小学校一年生からずっとGKしかしていなかったのですが、小学校三年生で最初のチームから移る時はそのチーム専属のGKがいないと知って移りました。チーム選びの決め手として、家からのアクセスや通わせやすいかといった問題が多いと思いますが、息子自身がのびのびと大好きなGKをプレーできる環境なのかは一番大切にしている軸ですかね。-いい指導者の定義は何でしょうか?まずいい指導者が何なのかというと、本人に合ってるかどうかというのもあるんですけども、やっぱり選手の力を伸ばせる指導者の方にはいい指導者だなと思いますね。しかしいい指導者であっても、息子にあった指導者なのかという点ではまた別問題な気もしています。息子の場合はサッカーを始めた頃からGKをしていたためフロントダイブなどのGK特有のテクニックには自身があったようですが、ある日指導者の方に「GKのスキルはトレセン並みだけど足元の技術を磨かないといけない。足元を磨かないと壁にぶつかりますよ。」と言われました。選手の強みを存分に伸ばす指導をしてくださる指導者の方はもちろんいい指導者だと思いますが、足りない部分を早い段階で教えてくれるのは、より高みを目指したい子どもや選手にとってはとても重要な部分だと思います。-Footballcoachには立ち上げ当初からご参加くださっていますね知り合いづてでFootballcoachを知り、参加させていただいています。立ち上げ当初はイベントでも多くの指導者の方と関わらせていただく機会が多く、息子自身も選手に質問できたりととても貴重な経験をさせていただいています。千人規模や二千人規模になるとなかなかそういった機会もできないでしょうし、他のサッカーメディアとは違った『指導者、選手、保護者の距離が近いメディア』だなと感じています。私たち保護者からすると、指導者の方の考えを知る機会は実はそう多くないんです。こういった記事や動画での発信、また参加させていただくオンラインイベントで指導者の方のリアルな考えに触れることができるのは、保護者としても興味がありますし、非常に良い機会をいただいていると思います。チームの強さで選ぶのではなく、大好きなサッカーを楽しんでいるかどうかで選ぶべき-最後に、チーム選び、指導者選びに悩む保護者へ伝えたいことをお願いします。息子が今のチームに入った時、指導者の方が県トレセンのチーフをされている方だったのですが「規模の大きいチームでは、選手が自ら考えてプレーできないと上のカテゴリーに行けない」とおっしゃっていたんです。私も息子のチームを変えてあげようかなと思ったことがありましたが、本人がどう伸びていくがが親の意思や環境よりも大切なことだと気づきました。いくら強いチームに行っても上手くなるわけではなく、最終的には選手次第。まずは子どもがサッカーを思いっきり楽しめているかどうかを意識して欲しいと思います。