元シュツットガルト指導者の河岸貴さん、FC町田ゼルビア 鈴木準弥選手が中心となり、多方面の専門家たちも参加し、鈴木選手の地元でもある静岡県沼津市で開催した2泊3日のキャンプ。Footballcoachもこの取り組みに全面サポートさせていただき、さまざまなサプライヤー様のご協力をいただきながら実施した3日間の様子を、レポートとして2記事にわたって公開していく。今回は、後編として2日目午後〜最終日の様子をお届け。【前編】自らを見つめ直し、新たな習慣を構築。『世界で通用する選手』への要素が詰まったキャンプに密着【後編】「このサイクルを回していければ飛躍できる」キャンプで得た知識と経験を携え、来季へ。世界への挑戦に必須な語学力、正しい勉強方法は...2日目の午後は、『言語の重要性〜英語が話せるとは〜』といったテーマで、ドイツ ブンデスリーガのハノーファー06で通訳を務めた上藤響さんによる英語学習についての講習からスタート。上藤さんは、大学で言語学を学びながらオンライン英語学習サポートのサービスも運営中。自身が海外で活動していたご経験から感じた言語、特に英語の重要性や言語学習における課題、おすすめの学習方法などをワークショップ形式で選手、スタッフに共有した。日本の環境でプレーする選手たちにとっては、今すぐ必要ではない言語能力かもしれないが、備えあれば憂いなし。「海外に挑戦するタイミングで、しっかりと自らの考えをストレスなく発信できるよう毎日少しでもいいから学習する時間が必要」と訴えた。講義後は早速上藤さんの元へ、学習サポートを求める選手たちも。プロサッカー選手にとっては、栄養・メディカルコンディショニングの知識と同様、言語学習も欠かせないとそれぞれが再認識できたようだ。"ゴールへの意識" をより強める午前のトレーニング同様、午後のトレーニングもそれぞれ簡単に体を動かした後は矢野コーチによるウォーミングアップの時間だ。FC琉球やガンバ大阪、SC相模原などのトップチームで指導を歴任してきた矢野コーチ。普段はそれぞれのチームでプレーしている選手たちのどことなく漂っていた緊張感を、丁寧な声掛けと持ち前の明るい雰囲気、締めるところは締めるメリハリのある指導で少しずつほぐしていき、熱量を上げていく。そこからは河岸さんにバトンタッチし、本格的にメニューがスタート。「サッカーは、得点を奪わないと勝てない。守備もただゴールを守ることに注力するのではなく、ゴールを守りながらも最短で自分たちの攻撃に繋げないといけない。綺麗なパスワークを意識するのではなく、まずはどうすれば最短でゴールに向かうことができるか。縦の意識をもっともっと強めないといけない。」翌日に控えたトレーニングマッチを意識し、より実践に近づけた強度の高いメニューを複数こなし、終了と同時にピッチに倒れ込む選手も。気温13度と例年の12月と比べても暖かい気温の中で、2日目のトレーニングは幕を閉じた。選手にまつわる法律問題と、対策方法2日目の最後は、羽柴弁護士による『サッカー選手をめぐる法律問題』の講習。羽柴弁護士は河岸さんが立ち上げたKIOT CONNECTIONSに所属し、日本では数えるくらいしか居ないと言われる、FIFA Football Agent ライセンス保持者。サッカー選手をめぐる法律のプロから、契約書の注意点やSNSでの誹謗中傷への対策などのレクチャーを受けた。「契約書の細かい項目まで理解しきれていない部分もあった。何かあったときではなく、この機会に頭に入れておけてよかった。法律関係にまつわる不安点があれば近く二度相談できる先生がいらっしゃるのも心強い。」選手が安心して所属チームでのトレーニングやプレーに臨めるのも、こういったピッチ外の心強い専門家がそばにいるおかげなのかもしれない。キャンプの集大成を実践に落とし込み、それぞれのシーズンへ午後からのキャンプ集大成でもあるトレーニングマッチに向け、最終日がスタート。午前の練習では、これまでのトレーニング内容を改めて振り返りながら、選手それぞれのコミュニケーションが多く見受けられた。その中でもDFがいる状態でのシュート練習やハーフコートゲームなど、ゴールを奪うことを目的とした実践形式のメニューがほとんど。個人として、そしてチームとしての共通認識を揃えてトレーニングマッチに備えた。また、午前のトレーニング後には、五十嵐水産様ならびに株式会社マルコーフーズ様より『骨まで食べられる焼き魚 まるごとくん あじ』が選手の皆さんに提供された。干物の約20倍ものカルシウムが摂取でき、選手のパフォーマンス向上を大いに助けてくれるに違いない。そして迎えた実践の舞台。DiMOND様よりご提供いただいたトレーニングシャツに袖を通し、限られた人数の中でも、20分 x 3本の計60分のゲームを行った。これまでのトレーニングで意識してきた、コンパクトな守備から前への推進力を活かしたサッカー。所属クラブが違い、当日合流した選手や初対面の選手も多いなか、球際の激しいデュエルも厭わない無失点での締めくくり。それぞれのハーフタイムでは、選手同士で活発な意思疎通を図り、アマチュアチーム相手でもそれぞれが持つ力を最大限ピッチ上で発揮した試合運びに映った。「まずは、ここに集まってくれた選手たちにとても感謝している。全国から、そしてドイツから未来あふれる選手たちと一緒に過ごした三日間は私自身の新たな思い出。この三日間で得た、感じたそれぞれの課題を来季に活かしていってほしい。この取り組みを1年間継続できたら、必ず全員が良いパフォーマンスを発揮できたシーズンだったと言える。私自身も、スタッフも含め、ここにいる全員がさらにパワーアップした状態で来年もまたこのような機会で会えることを楽しみしている。」河岸さんからの挨拶をもって、2泊3日のキャンプは閉幕した。参加選手もキャンプ中それぞれ口にしていた『これまでの取り組み方を大きく考え直し、結果を求める』重要性。そのきっかけになる、充実した三日間になったのではないだろうか。参加選手、そしてスタッフたちの来季のさらなる活躍を心より応援したいと感じた。[サプライヤーとしてご協力いただいた皆様]【前編】自らを見つめ直し、新たな習慣を構築。『世界で通用する選手』への要素が詰まったキャンプに密着自分自身を信じる力が切り拓いた、世界トップレベルでの指導者の道監督が変わってもサッカースタイルの変わらない育成現場が、勝者のメンタリティを育む深い理解を持つことで能力が飛躍する。脳の神経可塑性に着目したトレーニング ”Brain Activity” の可能性体に良い脂質って何?適切な摂取方法は?現役Jリーガー、専門家と考える『エネルギー源になる正しい脂質』