鹿島アントラーズの下部組織からプロ入りを果たし、東京五輪を経てベルギーリーグ ユニオン・サン=ジロワーズへとステップアップを遂げた日本代表DF・町田浩樹。彼の成長の背景には、幼少期から彼を見守ってきた指導者の存在があった。日本時代から変わらぬ“自分に矢印を向ける姿勢”と、海外で磨いた“対話力”。「監督が上にいる」という日本独特の空気に対し、町田が体感したヨーロッパの「対等な関係」とは。そしていま、さらなる飛躍のために彼が壊そうとしている“安心”とは何か──。海外移籍で得た“受け入れる力”と環境適応のメンタリティ天野:環境の適応力って、海外でやる選手には絶対必要だよね。町田:はい。理不尽なことも多いので、「こんなもんだ」と受け流すメンタルがないと続かないです。天野:日本代表や海外挑戦する選手には、そういう“広い器”があると感じる。町田:僕も感情の波は少ない方なので、それがうまくハマったのかもしれません。天野:マチのそういうところは、昔から変わらないよ。小学生のときに初めて見たときから、感情を表に出すタイプではないけど、心の奥に強い熱を秘めているのが分かった。町田:ありがとうございます。確かに、表に出さないけど、自分の中には強い思いがあります。天野:当時から、勝ち負けに対してもすごく真摯に向き合ってた。何かがうまくいかないとき、自分の中で「どうしてだろう」って考え続けてたよね。町田:自分に矢印を向けて、考える癖はその頃からあったと思います。天野:それに加えて、マチは小学生の頃から“なりたい自分”を見据えていた。うまくいかない時も、すぐに他人のせいにせず、自分の改善点を探そうとしていた。そういう積み重ねが今につながっていると思う。町田:その習慣は今でも続けてます。ベルギーでもうまくいかないことは多いですが、常に自分の中に原因を探すようにしています。%3Ciframe%20width%3D%221920%22%20height%3D%221080%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2F0Y1ETG5dWJE%3Fsi%3D5xd8cDsUYK1g6Rcm%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E東京五輪の悔しさと、海外移籍で得た戦術的変化天野:東京五輪の悔しさが、海外移籍の決断に影響した?町田:はい。スペインとの試合で完敗して「このまま日本にいても伸びない」と痛感しました。天野:ヨーロッパでのサッカーって、どんなところが違った?町田:テンポが速くて、ゴールへの意識が全然違います。特に守備は1対1の局面が多く、日本と比べて責任の重さが違います。天野:マチは元々“人のカバー”が得意なタイプだったけど、どう変わった?町田:むしろ逆に、1対1に備えるようなポジショニングに変えました。自分のマーク相手にやられない意識が高まりました。天野:なるほど。責任の所在が明確になるヨーロッパでは、それだけ自立した守備が求められるんだね。町田:はい。1対1で負けたら即失点につながる環境なので、ポジショニング、フィジカル、読みの力、全てを磨かないと戦えません。指導者とのコミュニケーションで変わった「対話力」天野:監督とのコミュニケーション、海外の方が多いって感じる?町田:圧倒的に多いです。監督室のドアはいつでも開いてて、試合に出られなかった理由も自分から聞きに行ける文化です。天野:それって、選手としてはありがたいよね。町田:そうですね。日本だとまだ「監督が上にいる」って感覚が強いですよね。ヨーロッパは選手と指導者が“対等”というか、お互いをリスペクトしていて、そこもすごく学びになりました。天野:その対話力は、プレー以外でもきっと君の武器になるよ。町田:そうだと思います。英語やフランス語も使いながら、ピッチ内外での対話を大事にしています。%3Ciframe%20width%3D%221920%22%20height%3D%221080%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FpbI_4w0X5xw%3Fsi%3DZluIK5VhEKW4297x%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E“安心”を壊して、次のステップへ天野:ベルギーリーグでの自信がついた今、次の目標は?町田:正直、もう1段階レベルの高い環境に挑戦したいです。成長が止まらないように、自分から安心を壊しに行くことが必要だと思っています。天野:それができるのは、マチのパーソナリティだよ。小学生の時からずっと見てきたけど、やっぱり変わってない。町田:ありがとうございます。熱量を持って努力すること、そして自分に矢印を向け続けることが大事だと改めて感じています。天野:小さい頃から、試合に勝てなかったら「自分に何か足りなかった」と考える子だった。そういう姿勢が今のマチの土台になってるんだと思う。町田:そう言ってもらえるのは嬉しいです。本当に、あの頃の積み重ねがあるから今があると思っています。天野:その姿勢が、きっと次のステージでも君を支えてくれる。ワールドカップでも、もっと多くの人に勇気を届けてほしい。町田:そのつもりで頑張ります。僕がプレーすることで、誰かが「また頑張ってみよう」と思えるような存在になりたいです。天野:マチはもう、そういう存在になってるよ。これからもまっすぐ進んでいって欲しいね。%3Ciframe%20width%3D%221920%22%20height%3D%221080%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2F3YyAqGnMGEM%3Fsi%3D3bukUKirCUU100BH%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E▼あわせて読みたい!現役選手出演記事「常にもがいているからこそ成長できる」鹿島アントラーズ 溝口修平が振り返る、人生のターニングポイント「高校サッカー決勝を見て感じたのは...」酒井高徳が語る、『育成年代の現在と未来』「より効率的にゴールを奪う守備は...」酒井高徳の守備概念を変えた『BoS理論』