川崎フロンターレの最後尾から長くクラブを支え、2025年には約9年ぶりの公式戦出場を果たした安藤駿介選手。その道のりは、湘南ベルマーレへの期限付き移籍や代表活動を経て、一度は自身の「理想のGK像」に押しつぶされそうになりながらも、今では“自然体”でプレーする境地にたどり着いたものだった。U‑18時代の同期とともに、ユースからトップ、オリンピック世代での経験やファン・地域との関わりまで、本音で語り合う。そんな二人の等身大の対話を、公式YouTubeに公開中の動画(全三本)から一部抜粋してお届けする。高校時代からプロへの意識、“ここで仕事したい”と思った瞬間%3Ciframe%20width%3D%221920%22%20height%3D%221080%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FzJ8T1w9hKIE%3Fsi%3DbY5By4d8jWG92wLz%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E山口:ターニングポイントっていっぱいあると思うけど、まず最初のきっかけは何だった?安藤:高1の夏にトップチームの練習に2週間参加させてもらったことかな。あの時「ここで仕事したい」と初めて思えた。環境が人を育てるっていうけど、フロンターレのユースはまさにそういう場だった。良い先輩や後輩がいて、上も下も尊敬できる人がいた。だから努力できたし、成長できた。山口:その後、年代別代表に選ばれたり、アジア大会で結果を残したりして、さらに自信がついた?安藤:代表に初めて入ったのはプロ2年目の夏過ぎだったけど、ユースの時は世代別代表に一切呼ばれてなかったから、すごく嬉しかった。アジア大会では全7試合中6試合に出て、結果も残せた。その経験があったからこそ、その後の親善試合やオリンピックの代表にも呼んでもらえたんだと思う。9年ぶりの公式戦と、準備の習慣がくれた落ち着き%3Ciframe%20width%3D%221920%22%20height%3D%221080%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FxEkmlMCrnUs%3Fsi%3DDQB-5C3S9Q6E55x8%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E山口:2025年2月のACLで約9年ぶりに公式戦に先発したよね。実況では「3100何日ぶり」とか言ってたけど、どんな期間だった?安藤:正直「9年も出てなかったんだ?」って感覚だった。毎日必死にやってきたから、長いブランクっていう意識はあまりなかった。でも冷静になると、小学校と中学校を合わせたくらいの年月だなって思うとやっぱり長い。だからこそ、同じクラブで我慢して頑張ってきて報われたことは嬉しいし、自分の中でも意味が大きい。山口:試合に出るときって、プレッシャー感じるタイプ?安藤:前日の方が緊張するね。いろんなパターンを頭の中でシミュレーションして、起こりうるシチュエーションを想定しておく。味方に当たって高く上がるボール、濡れたグラウンド、パンチングかキャッチか…そういう細かい判断を何通りも考える。当日は逆に落ち着いていた。大事なのは、できないことまで全部やろうとしないこと。できることを90〜100%でやる。それが結局一番良いプレーにつながるんだよね。山口:試合中、前半の飛び出しも迷いなかったよね。もしあれがミスになってたら…って考えると難しい判断だけど。安藤:キーパーは後手に回るポジションだけど、準備次第でその後手の時間を短くできる。先に動けば逆を取られるから、先読みしすぎずに待つ。でも頭の中で予測はしておく。そういうのを前日から考えておくと、当日は少しでも落ち着いて対処できる。ファンサービスの大切さとアカデミーが照らす未来%3Ciframe%20width%3D%221920%22%20height%3D%221080%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FMsuo5XudzcY%3Fsi%3DGCgszvkIzt1IsZz3%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E山口:安藤って試合以外の活動にも積極的だよね。ラジオとかYouTubeとか。そこまでサポーターとの交流を意識する理由は?安藤:ファンやサポーターがゼロだったら、プロサッカー選手の存在価値は無いと思ってる。だから自分たちから外に出ていくことが大事だと思う。この前、一人で日本ハムのプロ野球の試合を見に行ったんだ。猛暑の中、電車に乗って汗だくで球場に行って、試合中も汗だくで。でもすごく楽しかったし、「見に来てくれる人ってこういう気持ちなんだ」って実感した。選手はプレーだけじゃなくて、コンテンツやSNSでの発信も頑張れば、もっと試合に見に来てくれる人を増やすことができると思っている。山口:愛を知ってるから愛せるっていう感じかな。安藤:フロンターレの後援会会員は5万人を超えてるけど、その人たちにサッカー以外でも喜んでもらえることをやるのはすごく大事。現役の選手が出ることで子どもたちも興味を持ってくれるし、Jリーグ全体がもっと盛り上がるように、自分たちができることを増やしたいと思ってる。山口:アカデミーの話で言うと、フロンターレから25人くらいの選手がプロになってるらしい。安藤:U-18からそのままトップ昇格したGKはまだ僕しかいないけど、環境が整えばもっと出てきそう。そういう選手を見るのがこれからの楽しみでもあるかな。フロンターレに長くいさせてもらってるのは、川崎の『人が育つクラブ』としての環境のおかげだと思ってる。契約をいただける限りは現役にこだわりたいし、その先もクラブに関わっていけたら嬉しい。サッカー選手である前に一人の人間として、ファンや地域に恩返ししたいって思いは強いよ。▼あわせて読みたい!日本を代表するフットボーラーたちのストーリー浅野拓磨が語る「人生を変えた高校進学」──恩師・樋口士郎との対話で見えた原点と覚悟(前編)海外挑戦と苦悩、そして今──浅野拓磨が恩師 樋口士郎に語る“成長”の物語(後編)鹿島アントラーズから世界へ。町田浩樹が語る、挑戦と進化の軌跡「高校サッカー決勝を見て感じたのは...」酒井高徳が語る、『育成年代の現在と未来』「より効率的にゴールを奪う守備は...」酒井高徳の守備概念を変えた『BoS理論』