アビスパ福岡への入団を控えた直前、プロとしての第一歩を踏み出す前に行われた貴重な対談。得点力を備えたサイドバックとして注目を集める橋本悠選手が、元日本代表・田中順也さんと初対面で語り合った。驚異的なキック精度と“自分のプレーを貫くメンタリティ”を武器に、福岡大学でキャプテンを務め、2024年には特別指定選手ながらルヴァンカップでスタメンデビューを果たし即アシストを記録。その裏にあったエピソードや、将来見据える海外挑戦まで、今後を担う若きフットボーラーの現在地と未来像に迫った熱量高い対話となった。シュートかパスか、瞬間で決める判断力田中:PKもあるにしても、DF登録でリーグ戦22試合11得点はすごいよね。自分の得点パターンみたいなものってある?橋本:あります。右足でクロスを上げるフェイクから、内側にカットインして右足のまま左隅に蹴り込む形が得意です。大学リーグでそれを繰り返して、自信をつけました。田中:ああ、それプロで見れたら面白いね。サイドバックでそこまで攻撃参加できるって貴重だよ。橋本:味方にパスを出すか、自分で仕掛けるかは一瞬の判断です。信頼してる選手ならパスを出しますし、そうでないと感じたら自分で剥がしに行きます。試合の流れや直感も大事にしています。田中:すごいな、判断に“信頼”が入ってるんだ。橋本:はい。瞬時に可能性を見極めてます。自分の形を持ってプレーするって、やっぱり大事だと思っていて。だからこそ、自分でシュートを打ち切る意志も大事にしています。%3Ciframe%20width%3D%221920%22%20height%3D%221080%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FbJ9Yjs2Hxso%3Fsi%3DlQVFxJQtSOF6Xwo_%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E壁とともに育ったキック精度、プロ初アシストの裏側田中:デビュー戦ではコーナーキックも蹴ってるよね。自慢のキック精度はどうやって身に付けたの?橋本:壁ですね。中学時代、試合にあまり出られなかったので、壁に向かってひたすら両足でクロスの練習をしていました。蹴って跳ね返ってきたボールを逆足で処理して、またクロスを上げる。それをずっと繰り返していました。田中:俺も壁だわ(笑)。跳ね返ってきたボールを逆足で処理する練習って、すごく身になるんだよね。壁と向き合うって孤独だけど、プレーの基礎を固めてくれるよね。橋本:そうですね。数字がない環境でも、自分なりの課題を持って取り組むことで、自然とキックの精度が磨かれていきました。田中:それでキックの精度が磨かれたんだね。今のプレーにすごく活きてる。%3Ciframe%20width%3D%221920%22%20height%3D%221080%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2Fpn4sm_YCmiw%3Fsi%3D6WqQopQ0Nk5mJMmd%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E橋本:実は、プロ初アシストとなったルヴァンカップの試合はスタメンを告げられたのは2日前で、セットプレーの練習も十分にできなかったんですが……。田中:え、そんな状況だったの?橋本:はい。でも試合中にウェリントン選手から「悠、お前が蹴れ」と言われて。その一言で、自分がキッカーを務めてアシストに繋がったんです。田中:それは面白い話だね!ベテランの一言がきっかけだったんだ。橋本:はい。あれがプロの世界か…と感じた瞬間でもありました。キャプテンとして、自己と向き合う強さ田中:大学ではキャプテンもやってたんだよね?橋本:はい、福岡大学で初めてキャプテンを経験しました。最初は戸惑いもありましたが、自分の個性を出すことが大事だと思っていました。田中:重圧とか感じなかった?橋本:もちろんありました。でも、キャプテンだからといって無理に人前に立とうとはせず、プレーで示すことを大切にしました。田中:チーム全員がプロ志望じゃない中で、それを維持するのって大変だよね。橋本:そうですね。大学にはいろんな価値観の選手がいて、同じ方向を向くのは難しかったです。でも、自分が目標を持って努力することで、自然と周りに影響を与えることができたと思います。%3Ciframe%20width%3D%221920%22%20height%3D%221080%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FoQJgQnnEI6M%3Fsi%3DAgyEzAbeaawMlnm9%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E海外挑戦と“逆算力”で切り拓く未来田中:将来的には海外も視野に?橋本:はい、早ければ二年後には海外に行きたいと思っています。(笑)田中:アビスパのサポーターに怒られちゃうよ(笑)橋本:どの国というより、いろんな場所で経験したいです。1つのリーグにこだわらず、さまざまな環境でサッカーをしたいと思っています。そのためにもまずはアビスパ福岡でしっかり結果を残したいと思います。田中:いいね。逆算力があるタイプだなって感じる。橋本:メンタルや行動習慣、そして“誰にでも合わせられる力”は福岡大学で身につけました。どんな監督やチームでも自分の力を出せるようにしたいです。田中:プロの世界で長く生き残るには、そういう“順応力”って本当に大事だと思うよ。ゴールで勝たせる "エゴイスト"――内野航太郎の現在地と見据える未来ゴールを恐れず打つ力をどう育てる?──“エゴイスト”が育つ環境とはエゴイストは育てられるのか?田中順也が恩師と語る"個性"と"指導"のリアル「ゴールを決めることだけが自分の価値証明だと思っていた」田中順也と鄭大世が語る『エゴイストの真髄』